【男主】代表取締役のお兄様【kgm】 (ページ24)

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「兄様が自分の横にいる…」

『いやいつも居るだろ』

「こっちの次元での話です！！！」

兄様と配信前のβテストとしてちゃんと作動するかの確認をする。
画面内で動く兄様の体にニコニコとしながら、動作不良などがないか見た。

「初期衣装が私のと同じようなのもポイント高いですよ、これ！」

『はいはい』

適当にあしらってくる兄様は、私の横でコーヒーカップ片手に足を組んでいた。

「これで正式ににじさんじ所属の活動者になったので、また人望テストされても兄様を呼べますね」

『無茶言うな』

「あっははwwまぁ、無いことを祈るばかりですよ」

そう言いながら兄様が持っているコーヒーを貰おうと、手を伸ばす。

抵抗されるどころか兄様から渡してきたのを見て、コーヒーを口に含む。

甘いものが好きな割には、ガムシロップ1個いれるだけという苦いコーヒーを好む兄様が作るコーヒー。
少し苦いが、もうそろそろ慣れてきたというものだ。

「…兄様って味による好き嫌い無いですよね」

『まぁな』

5つの味覚による好き嫌いが兄様には存在しない。
もちろん旨味を好む傾向はあるものの、辛いものや苦いものを顔色変えずに食べる。

「…あ、兄様この前取引先から頂いたケーキがあるんですけど食べますか？」

『食べる』

「ふふwはい、じゃあテスト終わって食べましょうか。あ、切るのはお願いしますね。兄様の等分は正確なので」

『任せとけ、きっちり切る』

数分後目の前に出された私のケーキと兄様のケーキには、目視で分かるような誤差は無かった。

『ハヤト、また俺トレンドに』「えっ！？ネットに疎かった兄様が私より早くトレンドを知るなんて…。私嬉しいです…！」

『一人立ちする子供見送る親か』

的確なツッコミが兄様から飛んできたところで、兄様に抱き着く。

「しかも、それがすぐ分かるってことはにじさんじ系のポスト見てますよね？」

すっ、と顔を逸らす兄様に生暖かい笑顔を向ければ軽く(割と痛い)デコピンされた。

「割と痛いんですよ、兄様のデコピン」

『いかずちゴリラに言われてもな』

少し言われ慣れた感のある言葉が兄様の口から聞こえ、一瞬脳が機能を止めた。

「ROF-MAO見たんですか！？」

『築に勧められた』

「あの人ねぇ…！」

『…俺も電流に耐性がついたら言われたりすんのか？』

「電流使わせませんけど！？そもそも電流使うのは殆どROF-MAOだけですから！！」

ちょっとワクワクするの辞めて下さい。
止めずらいです。