好きなものが7つ ページ7
「A」
酒の飲み過ぎでフロアと休憩室を繋ぐ廊下をフラフラと歩いていたら、後ろから声が掛かった。
振り向けば、場違いな格好をした細身の男が立っていた。
『かい…』
「何、今日はセーブ出来なかったの?」
『ちがう…飲まされた…』
壁を伝いながら灰に近づこうとすれば、すぐにバランスを崩して灰に支えられた。
「ほら、行くよ」
灰に抱き上げられ、休憩室へと連れて行かれる。
これが俺が酔いつぶれた時の恒例だった。
灰は、この店のセキュリティ担当で防犯カメラなどをよくチェックしている。
それ故に俺の状態をいち早く知ることが出来るから、酔いつぶれた俺を回収するのはいつも灰で。
灰は細くて力が弱い割に、俺を持ち上げることは出来る。
「誰かいる?」
少し声を張って灰がそう言うと、休憩室のドアが開いた。
「あ、まゆとAさん」
休憩室の中から出てきたのは、赤と白のメッシュが特徴的なすこ〜し身長の低い男。
名前は、三枝明那。
女性に対する免疫が無く、初々しい反応が可愛くて人気なんだとか。
『ん…あきな…』
「はーい、明那ですよ〜」
明那の手を握り、少し体温を分けてもらう。
あ…やばいか、も_______。
俺の手を握ったまま、まゆの腕の中で動かなくなったAさんに「またか〜」と零す。
「慣れたもんだね、これも」
「慣れるのはおかしいと思うけど」
「そう言うまゆこそ」
休憩室のソファにAさんを寝かせて、ブランケットを掛ける。
寝ている内にアクセサリーを外し、メイクを落とす。
「これやる度に思うことなんだけど。Aさんって、すっぴんあり得んくらい綺麗じゃない?」
「プライベートでも仕事中でも、Aは綺麗でしょ」
「それもそうか」
Aさんが酔い潰れる日は大体オフの前の日、ということをまゆに教えてもらった俺はAさんがオフの前日は最後まで入れるようにシフトを調整している。
「にしても、すごいよなぁ。Aさん、激重な子達でも大きなことなく手玉にとってんだもん」
「Aは今まで色々な状況に立ち会ってるから、対処法を知ってるだけ」
「でも、1回太客さんとのメール見せてもらったけどヤバかったよ!?俺だったら即刺殺される返答しそうなところを穏便に済ませてるし、言葉遣いも相手に不快を与えないように細かーく調整されてるし」
俺が力説しようとした時、Aさんが『ん…』と小さく呻いた。
俺とまゆは顔を合わせて、小声で話し始めた。
650人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
????(プロフ) - 待ってッッッ⁉︎ njsjライバーだけじゃなくてc|rのstrmさんまで出してくれるんですか、、、‼︎ しかもdrskとか需要ありまくり感謝ですm(_ _)m 最後の翔とのイチャコラてぇてぇもごちです これからも更新楽しみに待ってます(´∀`*) (11月1日 2時) (レス) @page33 id: f2ebaa7bc8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年9月28日 19時