好きなものが39つ ページ40
「不破くんって、顔とスペックはAに引けを取らないのに気遣いだけは出来ないのよね」
ストローをくるくると回しながら姉貴はそう言い、湊を見た。
湊は気まずそうに目をそらし、手に持っていたサンドイッチを一口食べる。
「いや…、Aさんの気遣いがスゴすぎるだけなんすよ」
「Aを上回らないと真のNo.1とは言えないんじゃないの?」
「えぇ…キツ」
「何か言ったかしら?」
「スーーー…頑張ります」
黙々とパスタを食べつつ二人の会話を聞き、時折奏斗や雲雀の様子を見る。
俺と目が合う度に手を振ってきたりウインクしてきたり、やっぱりコイツらホスト向いてるだろ。と思うけど、きっと客をもてなすより客をもてなす奴を支える方がアイツらには向いているんだろう。
…そう言えば、アキラとセラフはどうしたんだろうか。
4人でセットだと思っていたから、どうしても探してしまう。
けど、居なさそうだ。
「Aさんっ」
ひょこ、と顔を出した奏斗に俺は微笑んで手を振った。
すると顔を輝かせた後、作業の方に戻る。
顔を輝かせていた少年のような表情はどこへやら、作業中の奏斗の顔は真剣そのもの。
ギャップで売れそ〜…。なんて思う俺は職業に毒されすぎているのだろうか。
「どうしたの?あの子じーっと見つめちゃって。あ、もしかして恋しちゃった!?」
姉貴その言葉に、湊は飲んでいた水が変なところに入って噎せ、雲雀は持っていたトレーを落とし、奏斗は作業している体勢のまま固まった。
『んなわけ』
俺はそう返しながらパスタの最後の一口を口に入れた。
ゆっくりと咀嚼し、嚥下する。
『…何でそんな目で見るん』
「いや…Aさんが人誑し過ぎて」
『ブーメラン乙』
コーラを喉に流し込み、両手を合わせて『ご馳走様でした』と言う。
「えっ律儀」
「Aはマナーとかちゃんとするタイプだけど、相手に強制しないの。その人にはその人の習慣があるから放任するタイプ」
「そっちのが無慈悲じゃないっすか?」
「会って間もないのにAに情を感じたことがあるの?それは聞きたい話ね」
「えぇ…」
姉貴の沸点に困惑しながらも弁解を探している湊を写真に収める。
葛葉とかに送ってやろ、と思って操作していると手からスマホを取り上げられた。
「雲雀ー!AさんのスマホにWi-Fi繋いでー!」
「えぇ?!」
『奏斗、ちゃんと仕事しろ。お客さん困ってるだろ』
店全体から「トゥンク…」と聞こえた気がした。
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????(プロフ) - 待ってッッッ⁉︎ njsjライバーだけじゃなくてc|rのstrmさんまで出してくれるんですか、、、‼︎ しかもdrskとか需要ありまくり感謝ですm(_ _)m 最後の翔とのイチャコラてぇてぇもごちです これからも更新楽しみに待ってます(´∀`*) (11月1日 2時) (レス) @page33 id: f2ebaa7bc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年9月28日 19時