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好きなものが36つ ページ37

パリン、と音がして俺は顔を上げた。
顔を上げたのは俺だけで、フロアの賑やかさは変わらない。

駆り出されているホストとボーイ。
この店のフロアを見ておく人間が俺しか居なかった。

異様な雰囲気のテーブルに俺は近づいていく。
瞬間、客の女が立ち上がり泣きながらなにか騒ぎ立てる。

相手を見ると、艷やかな紫色が見えた。
あー最悪。なんて思いながら俺はその席の仲介に入る。

『他のお客様の迷惑になるので声のボリュームは落として下さい。貴方の気持ちもよく分かります、ですが所詮ここはそういう場所(愛のない場所)なのは貴方もお分かりでしょう?』

「だってコイツが思わせぶりな態度を取ってくるから!」

『お客様、仕事はそういうものです。社会に出ているのでしょう?理解していないはずがない。理解してないとして聞きますが、貴方は仕事を嫌じゃないものとして見ているのですか?面倒なものとして見ていないのですか?』

別にコイツを助けるわけじゃない。

「そ、れは……」

『辛く苦しい仕事で得たお金を使ってここに来ているんです。楽しんで下さい』

「…はい」

ソファに座った客に安堵し、俺は微笑んだ。
ブーツの踵を鳴らして踵を返す。

翔あの野郎、後でぶっ飛ばす。と思いながらさっき居た場所を通り過ぎて休憩室へ。

大嫌いだとか、許せないなんて感情はないけど俺はアイツと話すつもりはない。
話すだけ時間の無駄。

だから、俺を追ってくる足音には気付かないふりをする。

__嘘で着飾っているのなら、それを最後まで貫き通せ。

俺が一番最初に教えたこと、忘れたなんて言わせない。

『貫き通せないなら辞めちまえ。やる時間、価値、存在、全て無駄』

ぴたり、と足音が止んだ。
それを気にも留めず、俺の足音が響く道を進んでいく。

あー、後で灰に怒られそうだな。って思って、その後に俺悪ないし。と誤魔化す。
きっと、俺にも非はあったのに。

我ながら子供だなと思っては自分が嫌になって蹲りそうになる。

でも止まることのない足は、きっと俺の今までの行き過ごし方にあるだろう。
止まれない人生を歩んできた、止まれと言われても今更止まれない。

もっと普通の家に生まれてたら、と悔いることはあるが別に親は恨んでない。
こんな俺を生かしてくれたから。

ほら、今だって。

「着飾らなくても生きていけるって教えてくれたのは、あんただろ!!」

俺の歩みを止めてくれる奴が居る。

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????(プロフ) - 待ってッッッ⁉︎ njsjライバーだけじゃなくてc|rのstrmさんまで出してくれるんですか、、、‼︎ しかもdrskとか需要ありまくり感謝ですm(_ _)m 最後の翔とのイチャコラてぇてぇもごちです これからも更新楽しみに待ってます(´∀`*) (11月1日 2時) (レス) @page33 id: f2ebaa7bc8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年9月28日 19時

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