好きなものが35つ ページ36
「最近他の人に構いすぎ」
『ヘラるな』
帰る寸前、ロッカーの中を整理していた俺にのしかかる影。
甘やかな声が背後で嫉妬の感情を吐露した。
俺は気にすること無く、腹部に回された手に手を重ね一定のリズムで叩く。
「ズルい…」
『はいはい』
あ、ずっと前から探してたハンドクリームあった。
しかもリップクリームも。
「ねぇ構って」
そう言って首筋にすり寄ってくる叶を適当にあしらっていると肌に当たったカサついた感触に、俺はロッカーを整理する手を止めて叶と向き合う。
『…最近ケアしてないだろお前。手も唇も乾燥してる』
そう言いながらさっき見つけたばかりのハンドクリームとリップクリームの蓋を開けた。
『好き嫌いの文句は後で聞いてやるから、今は取り敢えず塗っとけ』
叶がケアを怠るなんて今までなかった。
寧ろ、葛葉とかが怠っているのを見たら怒っていた。
そんな叶が他者が分かってしまうほどになるなんて。
『ほら、リップクリーム塗ってやるから顔上げろ』
「…ん」
素直に顔を上げた叶の唇にリップクリームを塗る。
さっきよりかはマシになったのを見て、少しの安堵。
「縦に塗るの？」
『唇のシワは縦方向だから縦に塗ったほうが良いって、客から聞いた』
そう言うと、叶は「…そっか」と言った。
『…そう言えば、俺が使ったリップクリームやったけど大丈夫か？潔癖とかやったら謝りたいんやけど』
「潔癖じゃないから大丈夫。それに、潔癖でもAなら良いよ」
『何やそれ』
.
あー、愛されてるなぁ。って自覚して、ふわふわとした意識のまま大きな背中を見送った。
お客の子にはこんな事しないの知ってるよ。
みんなには心底甘いけどお客の子には冷たいのも、
見た目はSっぽいのに本当はMなことも、
誰かに甘やかされることに弱いことも。
Aのことなら、全部知ってるよ。
だってAのこと愛してるから。
この世の誰よりも…ううん、この世界線の誰よりもAを愛してるんだ。
メンヘラだから誰からの愛でも良いんでしょ？とか言ってくる奴も居る。
違う、そんなんじゃない。
僕はAからの愛じゃないと駄目。
A以外からの愛は正直必要ない。
僕が生きるには、Aからの承認が要るの。
誰よりも愛してる、Aからの寵愛が。
だから僕は態とヘマをするんだ。
失敗すると『仕方ないな』って顔をして助けてくれる君に、これ以上ないほど恋しちゃったから。
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????(プロフ) - 待ってｯｯｯ⁉︎ njsjライバーだけじゃなくてc|rのstrmさんまで出してくれるんですか､､､‼︎ しかもdrskとか需要ありまくり感謝ですm(_ _)m 最後の翔とのイチャコラてぇてぇもごちです これからも更新楽しみに待ってます(´∀｀*) (11月1日 2時) (
レス) @page33 id: f2ebaa7bc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：病帰-yamiki- | 作成日時：2023年9月28日 19時
