好きなものが23つ ページ24
「Aさん、この本すごく良くてですね。ほらここが…」
「こっちの本も良いですよ。特にここの描写が…」
「いや、こっちの場面の方が作者さんの良さ出てません?ほらこの…」
「あーっ!それ!それ分かります!!!でも私はこっちの方が…」
刀也とガク、アキラと詩子さんに左右を挟まれ、良くわからない本を勧められる。
俺は何を勧められてるんや…。
「これだから百合の方が!!!」
「こうだから薔薇の方が!!!」
「「良いんですよ!!!」」
スマホから顔を上げると、刀也とアキラに詰め寄られていた。
いやちけぇよ。
『…何や、花の話なんけ?』
「「「「違います!!!!」」」」
『は?』
じゃあ何の話だよと眉間に皴を寄せれば、百合は女性同士の恋愛で薔薇は男性同士の恋愛を指すことを教えられた。
『で?』
「で?じゃないですよ!Aさんも百合の良さに気づいて下さい!!!百合でしか得られないものがあるんです!!!」
「いや、それはこちらにもありますから!!!それに、こっちは自分ならこうする〜と登場人物と自分を比較することが出来ますし!!」
バチバチと火花を散らす2人に、俺はスマホをしまって立ち上がる。
『別に優劣つけなくてええやろ。恋愛は恋愛で、性別でその括りから外されることはないんやから。どっちにもええところはあるんちゃうの。あるんだったらそれでええやん。お互い卑下して何が楽しいん。そんなことしても何も残らんやろ』
「「え、かっこよ…」」
補佐に徹していたガクと詩子さんの2人がそう言って、物を片付け始めたのを見て俺はスマホを取り出す。
『それに俺はどっちも大丈夫やから、どっちが良いとかないねんな』
「雑食…!?」
「これだからAさんはっ…!!」
床に膝をつく2人に、俺は笑って屈んだ。
『ただ、そう言うのって比較的そういう描写が多いやろ?その…まだ、俺には早いかもしらん』
「ホストやっててここまで純粋な人って居るんですね」
「Aさんで厚めの本作れそうです。…作ろうかな」
『作るな』
アキラの額にデコピンをしてから立ち上がり、廊下へのドアに歩を進める。
『んじゃ、喧嘩すんなよ。みんな違ってみんないい、なんやから』
廊下に出て、寒くなり始めてんな〜。と思いながら身震いをした。
「…Aさん、強いですね」
「っすねぇ…」
床に体育座りし、膝に顔を埋めている相方を見下ろす。
「「あー…好きすぎる」」
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????(プロフ) - 待ってッッッ⁉︎ njsjライバーだけじゃなくてc|rのstrmさんまで出してくれるんですか、、、‼︎ しかもdrskとか需要ありまくり感謝ですm(_ _)m 最後の翔とのイチャコラてぇてぇもごちです これからも更新楽しみに待ってます(´∀`*) (11月1日 2時) (レス) @page33 id: f2ebaa7bc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年9月28日 19時