好きなものが19つ ページ20
「私もうお嫁にいけません…」とぼやきながら、休憩室の椅子に座って両手で顔を覆うアキラを見下ろす。
『なんでやねん』
「Aさんの家に婿入りします」
『どアホ』
何キリッとした顔と声でヤバいこと言ってんねん。
『それより手ェ見せてみ。切ってるやろ』
「あ、えっ」
片膝を床につけてアキラの左手を取り、手のひらが見えるようにして傷の様子を見る。
『ん、破片は入ってないみたいやな。綺麗な手に傷残したらと思って怖かったわ』
そう言って立ち上がり、救急箱を探す。
ボーイの休憩室のもん漁るの、気ぃ悪いけどな。
『んー……お、あったあった』
見つけた救急箱を取って、アキラのもとに戻る。
『気にしなくてええ言うたやろ。何で反応するん』
「克服しないと、と思いまして…」
『あんなぁ…克服するのはそう簡単やないぞ。克服の過程で何かあればより重症になる。それは分かってるはずや。アキラは、そのリスクを自分に課してまで克服しようと思うか?』
手当をしながらそう言うと、アキラは手当している俺の手を掴んだ。
顔を上げれば、
「男に二言はありません。私は絶対に、克服してみせます」
と真剣な目でアキラは俺に言う。
その様子に俺は口角を上げ、
『よう言った!』
と言うと同時にアキラの手に絆創膏を貼った。
「…随分可愛らしい絆創膏ですね?」
少しメンヘラチックな絆創膏を見てそう言うアキラに『何か、翔の娘が』と説明をする。
「あの人子供いるんですか!?」
『嘘やで。娘的な存在が何故か大量にくれたらしいわ。その娘的な存在も翔んことパパ呼んどって本当の家族みたいで見てると微笑ましいんよ』
そう言いながら笑うと「聖母…?」と言われた。
誰が聖母や。せめて聖父やろ。
「…Aさんって、誰かと結婚したいとか思ったことありますか?」
『そりゃあるに決まってるやん。25やぞ?』
「え、25歳なんですか!?」
『言ってなかったっけ?』
「言ってないですよ!!」と言われ、俺は声を上げて笑った。
『一応25やで。1番先輩やからめっちゃ年上に見てた感じやな?』
「私と4歳しか変わらないのに女性経験豊富…????」
『あー……そう見られやすいけど俺まだ経験ないで』
「え、どうて」『それ以上言ったら殺すで』「スミマセン」
救急箱を片付けながらそんな会話をし、スマホでフロアの様子を聞く。
『んじゃ戻るわ。姫に暴れられちゃ困るねんな〜?』
休憩室を出る寸前に聞こえた言葉は、何だったのか。
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????(プロフ) - 待ってッッッ⁉︎ njsjライバーだけじゃなくてc|rのstrmさんまで出してくれるんですか、、、‼︎ しかもdrskとか需要ありまくり感謝ですm(_ _)m 最後の翔とのイチャコラてぇてぇもごちです これからも更新楽しみに待ってます(´∀`*) (11月1日 2時) (レス) @page33 id: f2ebaa7bc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年9月28日 19時