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好きなものが14つ ページ15

次の日、俺は怠い体を引きずって仕事場へ来た。
手早く着替えて、髪をセットして、メイクして、部屋の片隅でスマホをいじる。

すると誰か来た。

『…メイカか』

顔を上げると、白髪に黄色メッシュという分かりやすい髪色をした女のような男が入ってきた。

「うぉっ、Aか」

『何か、お前に会うの久々な気ぃするわ』

「そんな久々か?…久々か」

『ざっと半年は会ってねぇぞ』

ロッカーを開けながら俺と会話するのは、歌衣メイカ。
俺と2番目に仲が良い奴だ。

『なんか…久々に会うとあんま話出てこんな』

「分かるわ。俺も今何も話思いつかん」

『俺達もおっさんってことか?』

「何をどうしたらそうなんだよ」

2人でケラケラ笑いながらメイカの支度を手伝う。

『いつもの服でええかー?』

「おん」

『メイカのワックスたぶん埋もれてんで』

「最悪や」

『半年来なかった罰や』

「軽すぎw」

メイカの服を取ってくるために廊下へ出て、スマホを見ながら歩く。
服が置いてある部屋のドアを開ければ、一人一人にあるハンガーラックに掛けられた大量の服が目に入る。

『歌衣、歌衣………あった』

シャツとジャケット、パンツを持ってきた道を戻る。

『メイカ〜、戻って来たで』

「おー、あんがと」

『まだワックス探しとんか』

ワックスや整髪料が大量に入った箱を覗いているメイカにそう言えば「捨てられた説」と返された。

『ありそうで笑えるんやけど』

「お前今絶対に真顔」

『当たり前やろ。最悪俺の使えばええよ。お前に合うか知らんけど』

俺のならそんな下に行ってへんやろ。

「マジ?ありがたく使わせてもらうわ」

『最後まで探せやアホ』

「嘘だよ。…お、これじゃね?」

ガタガタと鳴っていた音がやみ、メイカが1つのワックス片手に立ち上がった。

『名前はー?』

「Aの字でメイカって書いてあるわ」

『…あぁ、確か俺が書いたんやっけ?』

「そうそう」

そう言いながら、俺の手にワックスを乗せるメイカを鏡の前に座らせた。

「何で横の鏡割れてんの?」

『俺が殴ったら割れた』

「Aが壁殴るほどの出来事って何?」

そう言いながらメイカは鏡と向き合い、メイク道具に手を伸ばした。

「指名されると思う?」

『…ナチュラルメイクにしとけ』

「おけ」

メイカの髪を梳かし、ワックスの蓋を開ける。

『どんな風にしたい』

「オールバック」

『任せとけ』

数分後に「お前何でスタイリストにならなかったんだよ」と聞かれた。

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????(プロフ) - 待ってッッッ⁉︎ njsjライバーだけじゃなくてc|rのstrmさんまで出してくれるんですか、、、‼︎ しかもdrskとか需要ありまくり感謝ですm(_ _)m 最後の翔とのイチャコラてぇてぇもごちです これからも更新楽しみに待ってます(´∀`*) (11月1日 2時) (レス) @page33 id: f2ebaa7bc8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年9月28日 19時

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