好きなものが12つ ページ12
その日は特に何もなかったと思う。
朝から昼まで寝て、夕方に起きて仕事へ行く準備をする。
家を出て、近くのカフェでカフェラテをテイクアウトして、いつもの道で仕事場へ。
指名が来たらフロアに出て、指名される度にテーブルを動いて、へとへとになりながら客からのメールを返して業務を終える。
そんないつもの生活だから、気を抜いたのかも知れない。
「兄ちゃんめっちゃ金持ってそうだな」
「ちょっと俺らに恵んでくれよ、な?ちょっとでいいからよ」
…何年ぶりやろか、カツアゲされんの。
「おい、聞いてんのか?」
「コイツ怖くて立ったまま気絶したんじゃね?w」
俺のカバンに、手が伸びてくる。
『触らへんでもらえます?』
こんなことしたくないから最近はずーっと誰かと一緒に帰ってたんやけど、翔以外帰ってたからしゃーない。
『残念やけど金は普段持ち歩かへんタイプなんですわ、俺。カバンの中にあんのはタバコの箱とライターだけ』
嘘やけど。
「じゃ、カバンくれよ。煙草吸いてぇんだ」
『ほ〜ん?タバコ吸いたいんか。ええよ』
カバンの中からタバコの箱とライターを取り出し、差し出されている手に乗せる。
「カバンくれって言ったはずなんだけどなぁ?」
『堪忍なぁ、このカバン俺のいっちゃん大事な物やねん。そのきったない手で触ってほしくないんやわ』
イライラが募っていき、つい罵倒が飛び出る。
『んぁ、つい口悪なってもうたわ』
「早くカバン寄越せよ!」
『あんたら脳あるか?カバン触んな言うてんねん、触んなボケカス』
そろそろ手ぇ出るぞ。
「お前、舐めた態度取るのもいい加減にしろよ!」
『舐めた態度取ってるのはそっちとちゃいますん?あ、関東人と関西人は分かり合えんってこと?傑作ですわぁ』
無言で振り下ろされた拳が俺に向かう。
けど、俺は動かない。
『…んで、あんたら何がしたいん?』
俺に拳を向けていたやつが地面に倒れる。
『人を見た目で決めつけたらあかんで?オニーサン方』
にこ、と微笑めば残っていた片方が「ひっ…」と言って腰を抜かす。
一歩踏み出せば、後ろから肩に手を置かれた。
首を捻れば、久々に見た顔。
「何、またストーカー?」
『いや、今回はカツアゲ』
「あのさ、こんな事になるから誰かと一緒に帰ってって言ったよね?何で1人で帰ってるの?Aがボクシング経験者だからってさ」
『はいはいわーったって』
コイツの名前は弦月藤士郎。
晴の同期の1人で、もう1人同期がいる。
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????(プロフ) - 待ってッッッ⁉︎ njsjライバーだけじゃなくてc|rのstrmさんまで出してくれるんですか、、、‼︎ しかもdrskとか需要ありまくり感謝ですm(_ _)m 最後の翔とのイチャコラてぇてぇもごちです これからも更新楽しみに待ってます(´∀`*) (11月1日 2時) (レス) @page33 id: f2ebaa7bc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2023年9月28日 19時