2作品目-20 ページ46
日も落ち始め、人も空いてきた頃。
ふぅ、と息を吐くと梓さんが駆け寄ってきた。
「お疲れ様、Aちゃん。」
『お疲れ様です、梓さん。』
人懐こい笑みを浮かべる梓さんに癒される。
…梓さんが居るなら、此処でも頑張れそうだ。
例え、苦手な人が居たとしても。
「梓さん、今日は少し用があるので抜けますね。」
安室さんはエプロンを畳み、携帯片手に店を出ようとする。
そのまま出て行くのを眺めていると、振り返って「君も着いて来い」と言わんばかりに視線を送ってきた。
『あ、…私もです!すみません、梓さん。』
急いでエプロンを解くと、梓さんは嫌な顔一つせずに言った。
「もう閉店間際だから大丈夫!じゃあ2人とも、また明日。」
ひらひらと手を振って見送ってくれる。
何度もお辞儀しながらその場を後にした。
安室さんの背を追いかけて、声を掛ける。
『…何か事件ですか?』
「今日は風見が迎えに来れないようなので、早めに切り上げた方が良いと思いまして。…僕の家に来てもらいますが大丈夫ですか?」
『あ、そうなんですね…。』
あー…今日は風見さんじゃないのか…。
肩をがっくりと落とす。
降谷さんが振り返って顔を覗き込んできたので、慌てて澄まし顔をした。
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作者名:シメ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b78ff5dd8c1/
作成日時:2021年2月13日 23時