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目を覚ますと、まず最初に見えたのは天井だった。
(自分の家じゃない、何処だ…?)
身体を起こすと、ズキリと胸が痛んだ。
『…ッ!』
痛部を押さえながら、辺りを見回す。
清潔な白いシーツに白い布団。
そして、その横には…。
『ライ…?!いた…ァ!』
叫んだ事で痛みが増して悶絶しそうになる。
横には、椅子に座って腕を組んで寝入っている赤井が。
Aの声で目を覚ましたのか、赤井はゆっくりと瞼を開けた。
赤「…やっと目を覚ましたか。」
『う、うん…?私どうしてココに…ライも…。』
赤「残党処理で降谷君を庇った君が倒れたんで病院に行ったんだ。何かあっては危険だからと降谷君と交代で君を見張っていた。」
『うわぁ…。そっかぁ…それは、申し訳ない。』
赤「申し訳ない?…何故だ。」
『2人とも忙しいでしょ。公安に
赤「人の安否ほど重要な案件は無い。…それに俺はデスクワークが苦手でね。」
ふ、と自慢気に語るので、笑いが込み上げてくる。
『確かに、報告書とかの類面倒がってたもんね。』
赤「…よく覚えているな。」
『バーボンにも言われたけど私、記憶力だけは良いから。』
赤「常々思ってはいたが…、君は降谷君とかなり仲が良いんだな。」
『うーん…、そうでも無いよ。』
(れー君、私には関心無いし。)
赤「ホォー…?」
どうしてそんなことを言うのか、と赤井が不思議そうな顔をしているので、話を逸らす。
『それより、もう大丈夫だし、ライはFBIの方に行っていいよ?』
赤「いいや、降谷君が来るまでは俺もここで待つさ。後で小言を言われたら敵わん。」
『あー、…それもそっか。』
どんな理由であれ一緒の空間に居れるのが嬉しくて、頬を緩ませていると、赤井は溜飲が下がった様子だった。
赤「やはり、それが君の本当の顔だったんだな。」
『え?あ、弛み切った顔してた…?』
赤「…あぁ。」
顔を押さえて頬を弄っていると、ふ、と鼻で笑われた。
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作者名:シメ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b78ff5dd8c1/
作成日時:2021年6月27日 22時