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Aは工藤邸の側で待ち伏せして、沖矢が家から出てきた所で声をかけた。
『沖矢昴さん…ですよね?』
昴「…どちらさまですか?」
『あ、…上串香澄、って言います。』
昴「はぁ。…私に何かご用でしょうか?」
『…少し、気になっていたんです。』
言葉を続けようとして、思わぬ横槍が入った。
歩「あー、昴さん!」
光「それに、香澄お姉さん…でしたよね。」
(こうもタイミングが合うものなのか…。)
元「こんな所で何してたんだ?」
『まだ挨拶しかしてないかな…。』
はは、と乾いた笑いで返した。
コ「…そんなことより、昴さんに、用事?」
『んー…そのつもりだったんだけど、君達と会ったからなぁ。この前、奢るって約束したもんね?今なら行けるから行こっか。』
コ(昴さんとの会話は無理だと踏んで一先ず元太達を引き離そうとしてるのか?いや、ここで引き離した所で彼女がここに残らないと意味はない…。しかもいつも単独行動しているし、人影も近くには見当たらない。本当に何を考えてるのか分からない人だな…。)
別れ際に、沖矢に近づき耳元で囁いた。
『私はライの推理通りの人間だよ。』
昴「…何の事ですか?」
『いいえ、別に?』
ニコ、と微笑んでから踵を返した。
元「ねーちゃん、早く行こうぜ。」
光「元太君、焦らなくても鰻重は逃げませんよ。」
コ「……だな。」
『ごめんごめん。今行くから!』
去り際のAは、赤井が見たこともない無邪気な顔をしていた。
赤(…本当に掴めない女だ。)
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作者名:シメ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b78ff5dd8c1/
作成日時:2021年6月27日 22時