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バ「…それなら、貴方にとって『ライ』と呼ぶ事にどんな意味があるんです?」
凛とした澱みなき瞳にジッと見つめられる。
『意味というか理由になるけど…、私が知ってるのはライであって赤井秀一では無いから。_潜入捜査、ってそういうものでしょ?別人として組織に入ってる訳だし。』
バ「妙に潜入捜査について拘りがあるようですね。まさかとは思いますけど…。」
バーボンからAに疑いの眼差しが向けられた。
『…思うのは勝手だけど、憶測で物事を語らない方が良いんじゃないかな。証拠が無いと警察は動かないって言うし。あ、私は、警察じゃ無いけどね?…物の例えっていうか。』
(この発言が吉と出るか凶と出るか…。)
一か八か、過去にバーボンが助けてくれた事に賭けようと思った。
バ(僕の考えを否定する気が無いということは畢竟潜入捜査官だと認めている事に他ならない。僕が警察の潜入捜査官だとバレていたのは想定外だが、…同じ立場なら心配は無いだろう。)
バ「…まぁ貴方の性格からして、警察という柄では無さそうですもんね。」
『私の性格が悪いみたいに言わないでよね。』
む、と睨みつけるとバーボンは憎たらしい笑みを浮かべた。
バ「事実では?人が死ぬ時に貴方が笑っている映像なら幾らでも証拠として提示出来ますけど。」
信号が青に変わったらしく、バーボンは顔を進行方向に戻すと、ハンドルを握り直し、アクセルを踏んだ。
『うわ、…切り返しが上手い。』
バ「どうも。」
そのまま2人は車中で他愛も無い話を続けた。
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作者名:シメ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b78ff5dd8c1/
作成日時:2021年6月27日 22時