【スタレ】『開拓日記』 (ページ38)

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カウンターに飲み終えたグラスをコトリと静かに置く。

『他に何か飲む?』

「ううん、もう十分だ。確かに飲み足りなさはあるけれど、今満足してしまっては、次来る時の楽しみが無くなってしまうからね。…それに、飲みすぎは返って身体に毒だ」

『そっか。ん、てか…"次も"、来てくれるんだ?』

「もちろん。以前君が言ってくれたからね、『友人は次の約束をするものだ』って」

コレは「死」へ向かう僕の、臆病な僕の…ちょっとした悪足掻き。未練があれば＿「約束」という名の縛りがあれば、僕は「死」をも乗り越えられる。

なぜなら、「約束を破らない」のが僕のポリシーだから。

けど、あくまで口約束で済ませる事を許してほしい＿＿だって、僕はただ自分の幸運に賭ける(を信じる)事しか出来ないから。

『次、また振る舞う時までに、もっと腕を磨いておくから！』

彼女は、そう意気込んで、『覚悟しててね』とでもいう様に僕を指差した。