【スタレ】『開拓日記』 (ページ34)

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カンパニーとして招待状を持っている僕だけが、ファミリーの監視の下とはいえ、この地＿＿特に夢境で、ある程度動ける権利が与えられている。

だが、それはつまり、1人で、カンパニーから与えられている任務を、成果を得られるところまで進めなければならないという事だ。全て1人で進めるからには、疲労が溜まってしまうのも仕方が無いというモノ。

たが、疲労を悟られるほど表に出してしまった覚えは無い。この地で人と接する時に気を緩めたことも無いはずだ。＿＿だというのに、彼女は僕の疲労を感じ取ったと言う。

感情の機微に敏感で、それでいてお人好しが過ぎる。

溜め息を吐きたくなる気持ちを抑えながら、口を開いた。

「君に心配してもらえるなんて嬉しいね」

にしても、精神を落ち着かせられるカクテルか…。それ、大丈夫なヤツなのかな。

そう思いかけて、"夢境のバー"と彼女が口にしていた事を思い出す。"夢境"なら、提供された物を飲んでとしても「死」には至らないだろう。

それに僕の身に何か起きたとしても、取引材料に使えるかも知れない。ここで恩を売っておいて、損することは無いだろう。

「…うん、行くよ。夢境で会おうか、マイフレンド」

『！ホント?！ありがとう、じゃあまたね』

『夢境に着いたら、アベンチュリンの部屋に訪ねに行くから待ってて』と言って、彼女はバタバタと扉前から足早に去って行った。