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「ご名答。ハハ、まさか忘れているとは思わなかったよ。…まぁ、忘れてしまうほど見返りを求めていないってのは、ある意味君らしいね」


『ありがとう?』


褒められたのだと解釈して頬を染めて礼を言う。彼はコホンと咳払いをして、本題に入った。


「君、バレンタインに紅茶をくれたろ。そのお返しをね、考えていたのだけれど。普通のプレゼントじゃつまらないと思ってね…。あぁ、もちろん、君が望むなら、普通のお返しをあげても良い。でも、わざわざ"この僕に"くれたということは…"普通"は望んでいない、そうだろう?」


『……ん?いや、うーん………そう、なのかなぁ…』


アベンチュリンは悩むAを見て、目を細める。


「返答に悩んでる時点で、答えは明白だ。少なくとも普通じゃ物足りないと思ってるということだからね。だからさ、僕から提案だ。バレンタインのお返しとして…僕とゲームをして、君が勝ったら何でも願いを叶えてあげるっていうのはどうだい?」


良い案だろう、と笑う彼に、彼らしさを感じるとともに。そう来たか、と思わず苦笑する。


『………それ、アベンチュリンがゲームしたいだけなんじゃ…』


「楽しい時間を共有したいだけさ。それに、報酬も君にとって悪くは無いだろ?僕にできることなら"何でも"、望みを叶えてあげるんだから」


『何でも、か…』


Aがそう溢せば、アベンチュリンは大きく頷いた。


「そうだよ。富でも、地位でも、名声でも__君が望むなら何だって与えよう。…あぁ、でも君はそういうのにはあまり興味無さそうだ。直ぐに望みが思い付かない場合は、思い付いたらでも勿論構わない。何でも望みを叶えられる権利を持つ、と捉えていてくれれば良い」

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作者名:シメ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b78ff5dd8c1/  
作成日時:2024年2月1日 19時

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