【スタレ】『開拓日記』 (ページ21)

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『バレンタイン、だから』

彼の言葉を遮って、答える。彼はその答えを聞いて、心底愉快そうに笑った。

「ハハ、このバレンタインという記念日に、プレゼントを贈る相手に僕を選んだのかい?そうかそうか、うん、なら、今度はこっちがプレゼントを用意する番だ」

お返しを期待していた訳では無かったので、思わぬ発言に喜んだが、少し不安も過(よぎ)った。

＿＿＿彼からのお返しは、マトモな物なのだろうか、と。

「っと、すまない、マイフレンド」

そう言って、アベンチュリンは、着信が入ったのか、アラームが鳴ったのか、携帯を素早く操作する。暫くして操作を終え、ハァと溜め息を一つ。

「残念だけど、もう時間が無いみたいだ。1ヶ月後、期待していてくれ。サプライズを受ける準備を忘れないようにね!」

アベンチュリンは、改めて「プレゼントありがとう」と紙袋を掲げて告げると、手を振って足早にその場を去って行った。