Ep.1-1 ページ8
煙草の匂いで目が覚めて、
リビングに向かうと、ソファに座り煙草を吸う、
見慣れた風貌の彼がいた。
『はぁ…?何でシュウがここに…?朝から気分最悪…。』
顔を合わせたくない相手が居た事への苛立ちと、
朝の低血圧とが相まって不愉快な気分に陥った。
「…別に俺も君と会うつもりは無かったんだがな。」
彼はAを横目で一瞥して顔を逸らした。
その態度が癪に触るが、
一旦落ち着いて、辺りを見渡す。
特に荒らされた形跡も無い様だった。
足音が聞こえ、目線をそちらにやると、
小さな探偵君が向こうから駆け寄ってきた。
『あ、コナン君!おはよう。』
「あ、うん…!Aお姉さんおはよー。」
笑い掛けると、可愛らしい笑みを返してくれた。
少年に癒されながらキッチンへと向かう。
「あ!赤井さん。おはよう。」
「あぁ、ボウヤ。おはよう。」
リビングでは2人が挨拶を交わし、何やら話し込んでいた。
そうこうしているうちに、
サラダとフレンチトーストを作り上げる。
机に運ぼうとして、キッチンからでると、
灰皿と吸殻のカスが机を占拠していることに気づいた。
『朝から煙草とかさぁ…周りの迷惑も考えてよ。』
彼に聞こえる様に悪態を吐くと、
少年との会話を一時中断し、顔を此方に向けた。
「…君の小言癖は健在のようだな。」
『そっちこそ。…自分勝手は大人になっても、
治らなかったみたいね。___いや、寧ろ悪化したか。』
嘆息を漏らして彼を窘めた。
「ねぇ…ねぇ、赤井さん。
もしかして、Aお姉さんと仲悪いの?」
「昔からな…。何でかは知らないが、
俺に対していつもあぁなんだ。」
何やら彼に耳打ちし、こそこそと話す。
会話は聞き取れなかったが、
自分の事について話しているのは何となく理解できた。
『朝ご飯食べるからその灰皿片して。』
灰皿とその上の吸殻の塊を指差して、退ける様指示する。
「ボウヤ、先程の話はまた後でな。」
「うん。」
彼はソファから立ち上がって机上の灰皿を取り、
今まで吸っていた煙草を押し付けると、
まとめてゴミ箱に捨てた。
空になった灰皿を近くの棚に置くと再びソファへと戻った。
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作者名:シメ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b78ff5dd8c1/
作成日時:2021年5月15日 2時