Ep.5-8 ページ46
『……へ?』
「とある一件で変装して過ごす時期があってな。
この姿の方が交友関係も広いから、
偶に沖矢昴として過ごしていたんだが、
その時に君にちょうど見られていたらしい。」
話しながら、彼は首に付けたチョーカーを外し、
落ちた眼鏡を拾って近くの机に置いた。
「…いつの話か分からなかったんでな。
君の行きそうな近辺の映像を調べて、
目星を付けて彷徨いていたら案の定君は声をかけてきた。」
自慢気に語る彼の話を混乱しながら何とか理解する。
『……つまり、今までの、全部騙してた、ってこと…?』
「騙すつもりは無かったが君は危機感が皆無だし、
痛い目に遭う良い機会だと思ったんだ。
中々に楽しませてもらったよ。…君の泣き顔も含めてな。」
彼はそう言うと、Aの頬に垂れた涙を指で掬った。
『っ!………シュウなんて、シュウなんて…、嫌いッ!』
近くにあった布団に勢いよく包まる。
泣き顔も見られたし恥ずかしいったらない。
「ほぉー?それは残念だな。俺は君の事が好きだぞ。」
言いながら、Aが包まっている布団に
背を乗せて体重をかけてきた。
『急にそういうのやめてっ、恥ずかしい…。』
「…加虐心を煽るような真似をする君にも非はある。
あぁ、それと…君は俺で充分、って事で良いのかな?」
『……うん、何か悔しいけど…、多分、
ずっと前からそうだったんだろうね。
いつでも駆けつけてくれる私の…ヒーロー。』
布団から顔を出し、彼を見上げる。
「お褒めに預かり光栄だ。
君の手綱を扱えるのは俺くらいだからな…じゃじゃ馬姫。」
出てきたAの頬をツンツンと弄りながら、
見下す様な笑みを浮かべる。
『一言余計!』
「本当の事だろう?」
そう笑う彼につられて、笑みが溢れた。
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作者名:シメ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b78ff5dd8c1/
作成日時:2021年5月15日 2時