Ep.1 ページ34
喫茶店での待ち合わせ。
時間通りに現れた数回デートした男性に切り出した。
『…別れたいんだよね。』
「冗談にしちゃ笑えねーよ?」
笑って応える相手に真剣な顔で返す。
『本気で別れたいの。』
「今更何言ってんだよ…!」
怒って手を挙げた男に、頬を叩かれそうになる。
目を瞑ったが、衝撃は訪れなかった。
「無抵抗の女性に手を挙げるのはどうかと思うぞ。」
目を開け、声の主を確認して、安堵した。
「な、何だアンタ!…は、もしかしてお前の新しい彼氏か?」
『いや、この人は…』
訂正しようとするも遮られてしまった。
「そんな奴だったとはな!お前なんかコッチから願い下げだ!」
声を荒げた男は机を勢いよく叩いて、勘定を置き去り、
ニット帽の彼を振り切って帰って行ってしまった。
空いた席を数秒見つめて、腰掛けた彼が語りかけてくる。
「A…、少しは控えたらどうなんだ。」
『…何の事?』
「誰彼構わず付き合う事を、だ。」
『誰彼構わず…って訳じゃないよ。第一印象が良かった人。
…それに悪い奴なら、シュウが守ってくれるでしょ?』
笑いかけると、Aとは裏腹に顔を顰めた。
「もう少し人を見る目を養うべきだと思うが。」
『んー…今回は良い人だと思ったんだけどね?』
「その発言、何度目かも分からんな…。」
彼は呆れ顔で溜息を吐いた。
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作者名:シメ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b78ff5dd8c1/
作成日時:2021年5月15日 2時