【名探偵コナン】気紛れ［赤井秀一］〔短編集〕 (ページ3)

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Ep.1-2 ページ3

『ねぇ…顔色悪いけど、最近ちゃんと食べてる?』

「またそれか…。心配されずともちゃんと食べている。」

『…コーヒーだけってのは朝食じゃないからね。』

キッチン台に置いてあったコーヒーメーカーを指差す。

「…………あぁ。」

そう言いながら目を逸らす彼にやれやれと溜息を溢した。

『…もー、そんなんでFBIが務まるの?
しっかりした栄養取らないと、
いくら貴方でも体力落ちちゃうよ。』

「……善処する。」

『その間は何なの。』

「…わかったわかった。ちゃんと食べれば良いんだろう。
まぁ今日はもう時間が無いが…。」

『しょうがないなぁ。はい、コレ。』

「何だ?」

『お弁当～。
多めに作ったから、朝昼適当に分けて食べて。』

「別に要らな…」

『何て?』

右手で拳を作り、笑みを浮かべる。

「…いや、ありがとう、助かる。」

流石に断るのは気が引けたのか渋々受け取った。

『ならば良し。』

「君は俺のマミーか…。」

『いや、メアリーさんと並べないでよ。』

「は…いや、そういう意味では。」

『あはは、分かってるって。
早く行かないとでしょ?はい、いつもの。』

側にあった彼愛用のニット帽を渡す。

「ん、助かる。…今日は遅くなるから自宅戻ってろよ。」

帽子を受け取ると、被りながら玄関へと向かっていった。

靴を履き、改めてAに向き直るとキスを交わした。

「…行ってくる。」

『行ってらっしゃい。…ちゃんと食べてね。』

「了解した。」

車の鍵を握りしめると、出て行ってしまった。

その背中を眺めながら笑顔で見送った。