【名探偵コナン】気紛れ［赤井秀一］〔短編集〕 (ページ13)

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Ep.1-6 ページ13

「…嫌だ、と言ったら?」

振りのけられた腕で、振り払った手の手首を掴み取る。

殴りかかってきそうだったのでもう一方の腕も拘束した。

『そんなの___ッ!』

逃げ場が無くて精一杯の抵抗として顔を逸らす。

「君、……何故、泣いてるんだ?
言うのは慣れているが返されるのは堪えたとでも?
いや、…君はそんなタマじゃないよな。」

彼の視線は一身に注がれていた。

『貴方と居続ける事に身体が拒否反応を示したのよ。』

意を決して彼と向かい合った。

「本当に意地っ張りだな…。
少しは素直になったらどうなんだ。」

『素直、って…貴方に言われたくない。
心に決めた1人も居ないくせに女を誑かす貴方には。』

「…何の話だ。」

『べっつにー。ただ取っ替え引っ替え女を変えてる人は、
お気楽だなーって思っただけだし。』

低い声で凄まれたが、なるべく平静を装って返答した。

「は?」

『…学校で女子にモテモテだったでしょ。』

「ん…そんな事もあったか?」

思い当たる節が無いのか、
それともただ記憶に残ってないだけか、
彼はふむ、と暫く考え込んだ。

『だから別に嘘付かなくて良いって言ってるじゃん。
シュウが昔からプレイボーイだったから、
見てて苛ついたのよ。』

1番大切な事は隠して、事実を告げた。