クムシラコ【TH】

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2001年12月29日


「Aお誕生日おめでとう！」


父と母が精一杯頑張って用意してくれた私の誕生日パーティー。
でも私が浮かべていたのは笑みではなく涙だ。

例年通りいけば今年は30日にお祝いをしていて
バースデープレートには


テヒョン・A

と書かれていたはず。



だけど私の名前しか書いておらず、その事があまりにもショックだった。



「A、笑って？テヒョンに写真送りましょう？」

「いやだ！テヒョンと一緒がいいの！」



私はわがままを言わず、泣かず、両親を困らせないいい子だと近所でも評判だった。

それがどうだ。
床に大の字になってわんわん泣き叫んでいる。



見かねた母は私を抱き上げ、ポケットから手紙のようなものを取り出してこう言った。


「テヒョンからの伝言です、よく聞いてね


A泣かないで
Aが泣いたら僕も悲しい
早く会いたいから早く大人になれるように頑張る
迎えにいったときの合言葉はね、」


「合、言葉…」


「うん、合言葉はね


空港での言葉だよ、だって」




テヒョン何か言ってたかしら？と母は首をかしげた。



ママはあの言葉は聞こえてないんだ

私とテヒョンだけの秘密なんだ



そう思うと嬉しくなって、気づけば涙は止まっていて、私のトレードマークである右ほほにえくぼが出来上がっていた。



「パパ、ママわがままいってごめんなさい
テヒョンに送る写真、撮って？」


「じゃあAの飛びっきりかわいい顔をしてね！いくよ！



1.2.3!(ﾊﾅﾄﾞｩﾙｾ)」






大きなケーキの前で真っ赤な目をした私が、目元でピースをしてニコッと笑っている写真を国際郵便でテヒョンの家に送って貰った。


보고싶다(ﾎﾞｺﾞｼﾌﾟﾀ)(会いたい)

という言葉と共に。





年が明けて数日経った頃

驚いたことにテヒョンが全く同じポーズをしている写真が送られてきた。



「この時はAがこのポーズしてるの知らないはずなのにね？


それにしてもテヒョンも目が真っ赤ね〜」


「本当だ」



母同士口裏を合わせたのか、それから毎年誕生日には同じポーズをして送り合うルールが出来上がっていて、いつのまにか家にはテヒョンアルバムが置かれるようになっていた。

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