過去という名の光。Ⅱ (ページ9)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:16,018 hit

またキミがページ9

.
.

ボーッとしていると暗かった外がカーテン越しでもわかるくらい明るくなっていた。

｢廉くん、か…｣

そうだ、今日は月曜日。
嫌でも廉くんと顔を合わせなければいけないんだ。

廉くんの顔を見たくない、じゃなくて。
合わせる顔が無い、の方が正しい。

一方的なことを言って一方的に振り回して、、廉くんには最低なことをしてしまった。

廉くんこそ、私の顔を見たくないだろう。

だから、私は廉くんの瞳には映らないように生きていかなきゃいけないんだ。

.

.

.

早めに席を取って、レポートを進めていると

｢A、おはよ｣

……… どうしてキミは今までと変わらない形で話しかけて来るんだろう

｢無視って一番傷つくで？、A…｣

最初の元気な声と一変して、か細い声で私の名前を呼んだ。

｢A……？そのままでええから聞いて。

Aにとってはクソみたいな父親やったかもしれんけど、よくAとの写真見て、名前呼んでるんやで？『A…』って。

無意識なんやろな、、涙流してんねん(笑)｣

｢母さんとその光景見た時、さすがに耳疑ったわ｣
｢父さんは気づかれてない、そう思っとるけどバレバレやねん。あんな形で離れてしまったこと、後悔してるんやで？ “ Aのお父さんは ” 」

｢しかも、ずるない？…｣
｢俺の心だけ盗んで逃げるつもり？

それは俺が許さんわ。｣

.
.