過去という名の光。Ⅱ (ページ7)

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｢確認なんだけどさ、Aちゃんは平野のこと恋愛感情で好きなんだよね。｣

｢はい、｣

｢なら、平野のこと待っててくれないかな。平野も平野なりの考えがあって行動してると思うから。

…俺が期待しすぎてるっていうのもあるんだけど入社3年目のわりには仕事も多いし地位も高い方だし、

仕事場は張り詰めてるし、頼りはAちゃんくらいだと思うんだ、｣

私の生活とはかけ離れた生活をしていた紫耀。

私が経験したことの無い会社勤め。

武田さんは頼り、と言って下さったけど、何も知らない私は紫耀にとって負担だったんじゃないか。

そう解釈した方が全てが繋がる気がした。

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｢…じゃあ、帰るね｣

｢はい。遅くまでありがとございました｣

｢ううん、頑張ってね｣

｢武田さんも…頑張ってください｣

頑張ってね、その言葉にどんな思いが込められているのか私には分からなかった。

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家に帰ってから、ふと気づく孤独感

私は多分夢を見ていたんだ。

紫耀と久しぶりに再会したことも、取り戻した紫耀との幸せな時間も
今朝までの夢みたいな顕嵐とのシンガポール旅行も

全てが夢だったんだ

｢今までが夢、今が現実。｣

そう自分に言い聞かせるようにして、眠りについた。

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