大好きだなんて言わないで【霧野蘭丸】 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,443 hit

3 ページ5

？「ああ。これでもけっこー小さい時からやってるんだ。」

「へぇ…。
私、あまりスポーツはやったことないんで、羨ましいです。」

？「確かに君、文系そうだよね(笑)
頭良さそう。」

「そう見えますか？
まぁ、運動よりは勉強の方が得意です。」

？「へぇ、いいなぁ。
俺はけっこー勉強はギリギリだからなぁ…。
この前も英語のテスト、赤点ギリギリだったし。」

「理系なんですか？」

？「残念、文系！」

って、文系なのに英語ギリギリじゃ駄目じゃん…
と思いながらも、その人の軽くて面白いトークに自然と笑みがこぼれる。

愛想笑いなのは変わらないけど、
でもどこか、ほっとするような…そんな笑み。

？「それ、雷門高校の制服だろ？
もしかして新入生？」

「はい。」

？「なら、入学式は午後からだろ？
もし時間あるなら、少し話そうぜ。」

その人はそう言うとニコッと微笑んだ。
歳も近そうだし、なにより話しやすい人だから、
時間の都合もあって私は頷いた。

？「あ、まだ名前言ってなかったな。
俺、霧野蘭丸。君は？」

霧野くん？につれられてやって来たのは、
風情あるベンチや遊具さえもオシャレな
いかにも都会って感じの公園だった。

「明治Aです。」

霧野くんが座ったベンチに、少しだけ距離を開けて座る。
制服、シワにならないように気をつけないと…。

霧「Aか。よろしくな！
あのさ、敬語はずそーぜ？タメなんだし。」

「あ、わかった…って、え！？
た、タメなの…？」

霧「ああ。
あと、俺も雷門高校だから。
同じ学年なわけだし、よろしくな。」

ま、まさか彼も雷門高校だなんて…。
雷門高校はかなりレベル高いのに、赤点ギリギリの人がよく来れたなぁ…(失礼)
あ、だからさっき、入学式が午後からだって知ってたんだ。

なんと、入学式前に、
まさかの同学年の友達ができました。