6 ページ6
.
何色にも光る建物と、キラキラと踊る天使。
見上げるくらい大きいクリスマスツリーが点灯した時は、魔法みたいって本気で思った。
ふわぁとか、ほえぇとか、｢すごい｣なんて言葉もスっと出てこやんくらいの感動に包まれとって。
ショーが終わって、こっちを見たすばるくんがギョッとした顔をした理由も、最初は理解できひんかった。
慌てふためいたすばるくんに、頬を指で拭われて、自分が泣いてたことにやっと気付く。
｢...ごめ、なさい｣
謝ることちゃうやろって乱暴に僕の頭を撫でたすばるくんの手が優しくて、俯いたらまた涙が溢れる。
ショーを見終わった人混みの中で、ゆっくりにしか歩かれへん僕の手を握ってるすばるくんの手は僕の手の温度よりちょっと低いんやけど
それが何故か心地良い。
何度もすばるくんに手を握られたことはあるけど、なんかこれだけですごく愛しい気持ちが大きくなって。
すばるくんが手を離さへんことは分かってたけど、僕の体温も気持ちも伝わるように、僕より少し小さい手をぎゅっと強く握った。
こんな人前で男同士で手を繋ぐなんて、周りから見たらどう思われるんやろうとか、普段なら考えるけど今日はそんなん全く気にならへん。
天使に冬の魔法でも掛けられたんやろか、なんて考えが過ぎって、ちょっと恥ずかしくて甘酸っぱいような気持ちになる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 529人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神流(プロフ) - 杏奈さん» 一応、『今夜このまま』というタイトルで書かせて頂いておりますが、もしかしたらログインユーザーでないと見つけられないかも知れません...こちらのサイトの決まり上申し訳ないです(泣) (2019年2月26日 16時) (
レス) id: eb9eb7727a (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - 裏短編集読みたいのにもう長らく見つけられてません（泣） (2019年2月18日 22時) (レス) id: ef58cf710e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神流 | 作成日時：2018年11月15日 12時
