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｢ね、つ……？｣
ちゃんと声に出したはずの言葉は、ひゅっと喉元で音を立てて消え入りそうなくらい小さかった。
｢暖房も切ってんのに汗かいてるから、もしかしてって思ったけど｣
起きたんやったらこれ挟んどけるかって、体温計を手渡される。
｢そんなりんごみたいな頬っぺして、しんどいと思うけど一応ちゃんと測っといてな｣
りんごみたいに真っ赤らしい僕の頬っぺを人差し指でつんつんつついて、ふわっと微笑む。
｢……すばる、くん｣
これは現実を見たくない僕が最後に幸せな夢を見てるんやろかって確かめたくて声を出したのに、やっぱり思ったように声は響かない。
｢お前昨日ようけ啼きすぎて声出てへんやん｣
ククッて意地悪く笑うすばるくんはあまりにも鮮明で、やっぱりこれは現実…？
｢…すば、くん。おこって、へんの？｣
すばくんって誰やねんって笑う彼が、なんのこと？って僕の目を真っ直ぐ見る。
｢……きのう、ぼくねてもうたから…｣
反対に伏せてしまう僕の目。
熱のせいか自分への失望のせいか視界がじわりと滲む。
挙句の果てには熱出て看病してもらって…まるで子どもやん。
｢なんやお前誘ってんのか｣
｢……へ？｣
僕の顎を持ち上げて目の前に映し出されるのは、昨夜見た、男の目をしたすばるくん。
｢そんな頬っぺた紅潮させて、伏し目がちに掠れ声とか、誘ってるとしか思われへんねんけど｣
さすがやなお前って、……僕、褒められてる？
どこまで俺のツボ突いてくんねんとかブツブツ言うてる目の前のすばるくん。
反対に僕はキョトンとするしかない訳やけど。
……怒って、へん？
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神流(プロフ) - 杏奈さん» 一応、『今夜このまま』というタイトルで書かせて頂いておりますが、もしかしたらログインユーザーでないと見つけられないかも知れません...こちらのサイトの決まり上申し訳ないです(泣) (2019年2月26日 16時) (
レス) id: eb9eb7727a (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - 裏短編集読みたいのにもう長らく見つけられてません（泣） (2019年2月18日 22時) (レス) id: ef58cf710e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神流 | 作成日時：2018年11月15日 12時
