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「っ、……すば、くん……」


心臓が止まるかと思った。


彼の名前を呼べば、どういう感情からなのか、涙が溢れて止まらなくなる。


「…っ、すば、くん…すばるくっ…」


嗚咽が漏れて上手く話せなくて情けない。


言いたいこと、たくさんあるはずやのに。


こんな電話掛かってきて、すばるくんはどう思ってる?迷惑?困る?


色んなことが頭を巡るのに、出るのは涙と嗚咽だけで。


何か言わな、そう思えば思うほど言葉が喉に引っかかって、息も苦しくなってくる。


「…大倉」


溜め息のあとに聞こえてきたすばるくんの声に肩が震える。


「ま、まって、…あのっ、おれっ…」


「聞きたない」


すばるくんに言葉を遮られてさらに焦る。


俺がちゃんと言えへんから?それとも、もともと話なんかする気ない?


「ご、ごめ…っ、…」


「大倉」


謝って電話を切ろうとしたら、またすばるくんに名前を呼ばれて慌てて携帯を耳に当てる。


「…電話では聞きたない」


「…うん、ごめ……えっ?」


すばるくんの言ってることが分からんくて、思わず聞き返す。


「…今家か?」


「…え、……あ、うん…」


「じゃあそこ居れよ」


「え、ちょ、すばっ……」


返事する間もなく、電話は一方的に切れた。



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神流(プロフ) - 優花さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けると本当に嬉しいですヽ(;▽;)ノまだまだ出始めの不束者ですがご愛読頂けると光栄です。新作を書き始めたところなので、そちらも是非チェックしてみてください(^^) (2018年4月30日 18時) (レス) id: 88d8a22e68 (このIDを非表示/違反報告)
優花 - 完結おめでとうございます。神流さんのすばくら大好きです!次回作も楽しみにしています。 (2018年4月28日 8時) (レス) id: fc2a36b4f9 (このIDを非表示/違反報告)
神流(プロフ) - ジーナさんにご指摘頂くまで気付くことが出来ず、申し訳ありません。ご指摘頂きありがとうございます。続編については少し考えさせていただくことにします。 (2018年4月27日 0時) (レス) id: 88d8a22e68 (このIDを非表示/違反報告)
神流(プロフ) - ですが、今回はあくまでセッションでの3人を見て連想した話なので、完全に影響を受けていないとは言えないかも知れませんが、私の連想を文字にした形です…。登場人物や相関図が被ってしまっているのは気付いており、本来ならどこかで説明するべきでした。 (2018年4月27日 0時) (レス) id: 88d8a22e68 (このIDを非表示/違反報告)
神流(プロフ) - ジーナさん» はじめまして。ジーナさんが仰ったぴぃすさんは、私が名前を出すことすら烏滸がましいくらい尊敬している作者さんです。もちろん作品も読ませて頂いておりますし、私の作品の設定が似てると思われるのも納得できます。 (2018年4月27日 0時) (レス) id: 88d8a22e68 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神流 | 作成日時:2018年4月5日 19時

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