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亮ちゃんの口から出た言葉は、俺を動揺させるには充分やった。
「…へ?そ、そんなん当たり前やん。何言ってんの亮ちゃん、変なの〜」
亮ちゃんが急にそんなことを言い出した根拠が分からへん。
観察するように俺を見つめる目線に耐えられへんくて目を逸らす。
「大倉、こっち見ろや」
ちょっと怒ったような亮ちゃんの声。どうしよう、どうしたらいいんやろう。
「そんなん、付き合ってるに決まってるやん。さっきも言ったやろ、すばるくんが泊まりに来て、ラブラブしてんでって。付き合ってる以外の関係性ある?」
いくら亮ちゃんでも言われへん。彼女がいる人を好きになってもうて、身体だけの関係が続いてるなんて。
きっと軽蔑されるし、なんならそんな関係やめてしまえって怒られるかも知らん。
「大倉、お前ほんまのこと言えや」
「な、なんでそんなこと聞くんよ。俺とすばるくんは…」
お前は、と亮ちゃんが俺の言葉を遮る。
「……渋谷さんの浮気相手なんか?」
“浮気相手”という明確な言葉に心臓がチクリと痛む。
「違うよっ、俺とすばるくんはっ……」
付き合ってる、って言えへんかった。
必死に亮ちゃんを誤魔化そうとしてる間に、知らず知らずのうちに喉が詰まって、言葉の代わりに涙が零れた。
俺とすばるくんは付き合ってなんかない。
それも、すばるくんは俺と彼女さんに愛情を半分こずつ与えてくれてる訳ではない。
俺は、すぐに抱ける都合の良い奴なだけ。
「…大倉」
「っ……」
亮ちゃんの真っ直ぐな瞳と視線が交差して、なんだか酷く自分が汚いような気がして、思わずその場にしゃがみこんだ。
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神流(プロフ) - 優花さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けると本当に嬉しいですヽ(;▽;)ノまだまだ出始めの不束者ですがご愛読頂けると光栄です。新作を書き始めたところなので、そちらも是非チェックしてみてください(^^) (2018年4月30日 18時) (レス) id: 88d8a22e68 (このIDを非表示/違反報告)
優花 - 完結おめでとうございます。神流さんのすばくら大好きです!次回作も楽しみにしています。 (2018年4月28日 8時) (レス) id: fc2a36b4f9 (このIDを非表示/違反報告)
神流(プロフ) - ジーナさんにご指摘頂くまで気付くことが出来ず、申し訳ありません。ご指摘頂きありがとうございます。続編については少し考えさせていただくことにします。 (2018年4月27日 0時) (レス) id: 88d8a22e68 (このIDを非表示/違反報告)
神流(プロフ) - ですが、今回はあくまでセッションでの3人を見て連想した話なので、完全に影響を受けていないとは言えないかも知れませんが、私の連想を文字にした形です…。登場人物や相関図が被ってしまっているのは気付いており、本来ならどこかで説明するべきでした。 (2018年4月27日 0時) (レス) id: 88d8a22e68 (このIDを非表示/違反報告)
神流(プロフ) - ジーナさん» はじめまして。ジーナさんが仰ったぴぃすさんは、私が名前を出すことすら烏滸がましいくらい尊敬している作者さんです。もちろん作品も読ませて頂いておりますし、私の作品の設定が似てると思われるのも納得できます。 (2018年4月27日 0時) (レス) id: 88d8a22e68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神流 | 作成日時:2018年4月5日 19時