蘭くんはオトしたい【灰谷蘭】

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( ───── ･･･暇 )






なんて思いながらも待ってる自分に驚く。
普段なら何も言わずに置いて帰る。んで二度と会わねえ。



なんとなく目に入った髪留めを手に取った。
別に一際目を引くわけでもない、何かの花がモチーフのやつ。

そしてそれをそのままレジに持ってく。
千円もしないそれは丁寧にラッピングされて、小さな紙袋に入れて手渡された。




とんとん、と優しく肩を叩かれて
どうやらプレゼントが決まったらしいAちゃん。






《 たくさんお待たせしてごめんなさい 》


〈 大丈夫。いいのあった？ 〉


《 はい、おかげさまで。本当にありがとうございます 》






そっかそっか、と小さい頭を撫でるとまた顔が赤くなる。

じゃあ行こっか、とふたたび手を握って店を出た。



いつもなら大体、このままホテル。

この感じなら「ちょっと休憩していこうか」をそのまんまの意味で受け取りそうな気もする。


まさかそんな風に思われてるなんぞ思ってもないであろうAちゃんはオレに手を引かれたまま鼻歌でも歌いそうなくらい嬉しそうに歩いてて。






〈 ちょっと休憩していこうか 〉







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