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「 ────動くなよォ、 」






とある雑居ビルの一室。

裏切り者の確保にオレとモッチーは出向いていた。



眩しいくらいの蛍光灯の下、
革張りのひび割れたソファーの上。






「 あ、いやこれは・・・!! 」






慌てて服装を整えようとするこの男は、ウチの金を横領していた。
スクラップは決定なのだがまだ吐かせる情報があるのでここでは殺さずに縛り上げる。






「 おーおー。
お楽しみ中だったみたいで。邪魔して悪かったなァ 」






男の足元、服をはだけさせた若い女がソファーの上で震えていた。
太腿には血と混ざった白濁が伝い、体にもできたばかりの痣。コイツの仕業だろう。
ベルトで縛られた手首は血が滲むほど赤くなっていて 相当手酷くやられたことがうかがえる。






「 ・・・ッ、 」






こんな状況は初めてではないとはいえ、何度見ても気分が悪くなる。
さすがのモッチーも 小さく「ウワ・・・」と引いたように呟いていた。


もう抵抗するのを諦めているのか、虚ろな目でどこか一点を見つめて動かない。

下着も何もかもめちゃくちゃに外されて 見られたくもないだろう、と 上着を脱いで肩にかけてやろうと一歩近づけば。






『 ごめんなさいお願いしますもう殴らないで、痛いことしないで 』






床に額を擦り付け、土下座。

どうやらこの男の仲間だと思われているらしかった。
背中しか見えなくなったその体も傷だらけ。


逃げようとする男の首を蹴り倒し、気絶させて縛り上げる。






「 お嬢、痛かったなァ 」


『 ゃ・・・っ 』






ゆったりとした口調でモッチーが話しかけた。
顔をあげないまま、小さく悲鳴をあげて更に縮こまる。






「 ・・・別にオマエに痛ェことも怖ェこともしねえよ。
安心しろ、アイツにはオッサン達が仕返ししといてやるからよ 」






恐る恐る、といった風に顔を上げ、長い前髪の間から覗く怯えた表情。
赤黒く腫れた頬に鼻から垂れる血。まぁよくもこんなになるまで耐えたもんだな。







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うさ - 好きすぎます!!更新楽しみです! (11月22日 9時) (レス) @page23 id: 1fc943b7af (このIDを非表示/違反報告)
百合 - すっっっっっっ(き)よすぎまする!! (6月3日 8時) (レス) @page23 id: e72506d086 (このIDを非表示/違反報告)
月宮莉夢 - 夢、夢主ちゃん、、、妊娠、、、、ああああああああぁぁあああ不安しかないのだが、、、 (2022年7月15日 1時) (レス) @page20 id: b5f61b261d (このIDを非表示/違反報告)
rouponti0705(プロフ) - 現在進行形で不安なのマジで怖い......。すごい綺麗?な書き方でめっちゃ好きです!!!お体に気をつけながら更新頑張ってください!!! (2022年6月24日 19時) (レス) @page20 id: b988ba4daa (このIDを非表示/違反報告)
引きこもり隊 - お話の題名?が7になってますけど、大丈夫ですか? (2022年6月6日 21時) (レス) id: af8345609d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:げるげ | 作成日時:2022年4月24日 1時

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