半間くんがウザい【 半間修二 】

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『 お願いだから離して･･･！ 』


「 お願いかァ〜 」






じゃあ仕方ねえか、と半間くんは
両手を上にあげてお手上げポーズをとった。

あわてて外されたボタンを留めて振り返る。






「 ひゃは、目ェうるうるじゃんかーわい 」


『 誰のせいよ 』


「 オレだな♡ 」






これもどうせ、ただ私の反応を面白がってるだけ。






「 どうせなら泣かせりゃよかったな 」


『 絶対に嫌 』


「 強がってんのも今のうちだけだぜAちゃん♡ 」


『 本ッ当にウザいね半間くん 』






お手上げポーズのまま手をひらひらと振って
再びソファに戻っていく背中を睨む。


誰かさんのせいで
少し焦げてしまった生姜焼きをお皿に盛り付けて
ご飯とお味噌汁と一緒にテーブルに持っていった。






「 お、美味そ♡ 」


『 いただきますは？ 』


「 イタダキマス 」






しっかり両手を合わせて言うところとか、お箸の持ち方とか
食べ方が綺麗で意外とちゃんとしてるんだな、って思ったり。






「 んま、･･･Aちゃん食わねえの？ 」


『 あ、いや思ったより食べてくれるから 』


「 美味ェもん 」






思えば、こうして自分の作ったものを
誰かに食べてもらうのって初めてかもしれない。

美味しい、って褒めてくれて
いい食べっぷりを目の前で見てるだけで満足というか。






『 まだあるよ、おかわりする？ 』


「 もう結婚しようぜ♡ 」


『 調子乗んな 』






さっきの所業、許してないからな。






「 ごちそーさん♡ なぁAちゃん、 」


『 なぁに 』


「 またメシ作ってくんね？ 」






おねがい♡って上目遣いで言ってくる。別に可愛くはない。






『 ウチ来た時点で初めからそのつもりでしょ 』


「 あっは、バレてた♡ 」







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