半間くんがウザい【 半間修二 】

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一瞬、何が起きたかわからなかった。


顔を殴られた、と理解したのは数秒経ってから。




フーフーと荒い鼻息を繰り返すコイツが
カチャカチャとベルトを外す音を響かせる。




怖い。痛い。気持ち悪い。怖い、怖い、怖い。




もう声も出せなかった。



抵抗すれば殴られる。

誰かに殴られるなんて人生で一度もなかった。


こんなに痛いんだ、こんなに怖いんだ。




もうダメだ、大人しくしてればきっとすぐ終わる。


顔を両腕でおおって、見ないようにして。

カチャカチャとベルトを外しながら
私の胸に顔を埋めてくるソイツを
受け入れるしかない、と覚悟を決めたとき、

私の携帯が鳴った。




すぐ側に落ちてたそれ。
相手の名前も見ずに通話ボタンを押した。






『 ッ助けて･･･ッ！！！ 』






───── ゴッ！






また、殴られる。


携帯も投げ捨てられた。






《 Aちゃん･･･！？ 》






半間くんだ。






『 半間くんたすけ、ッ！ 』






ソイツは携帯を叩き壊す。






「 泣いてる顔も可愛いね。
そうやって嫌がってるのは今だけだよ、
すぐに気持ち良くなってキミからボクを求めてくるくせに 」






もうダメかもしれない。


ごめん半間くん。結局こうなっちゃった。

もう合わせる顔ないや。

ごめん、ごめんね。




両腕で顔を隠して泣いた。




身体中を這う気持ち悪い手。


下着越しに当たるソレ。

半間くんのは嫌じゃなかった。びっくりしたけど。



なんで嫌じゃなかったんだろう。

･･･なんで、今になって気付くんだろう。




全部、遅すぎた。






( ･･･ごめん、好きだよ )









「 オレもま〜ぜて♡ 」








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