社畜と飼い主

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『 もっ、もしもし、』

「 あ、おはようAくん 」




急いで電話に出たら朝できなかった挨拶を今された。

本当は一緒に起きてふわふわした朝を過ごしたかったけど、僕が寝坊助だからできなかった。




『 おはよ、ジミンさん 』

「 ふふ、なにしてた？」

『 ベッドでごろごろしてた 』




優しいジミンさんの声の後ろから、ざわざわした声が聞こえてくる。

めちゃくちゃ騒がしい。

メンバーさんたちいるのかな。




「 僕いま休憩なんだけどさ、マカロン貰ったから好きかどうか聞こうと思って 」

『 え、！すごい好き！！』

「 んふふ、わかった、持って帰るね 」

『 うわ〜！ありがとう、楽しみ 』




甘いものが好きな僕にとってそれはすごい嬉しい。

今からわくわくしてきた。




「 すごい嬉しそうな声 」

『 嬉しいんだもん 』

「 じゃあお礼に意地悪させてもらおうかな 」

『 っ、 』




むらむらしてた僕にとって、すごい毒な言葉。

普通な会話をしてたからせっかくむらむらが消えてたのに、また戻ってきた。

ジミンさんのばか。




「 あはは！今むらってしたでしょ 」

『 …………メンバーさんいるのにこんな話していいの 』

「 いいの、ジョングガもテヒョンアも恋人いるし、身体中キスマークだらけだから 」

『 ……………、』

「 結構前にふたりとも公表してたけどね 」




SNSなんか見ないからそんなこと知らなかったし。

というかしれっと爆弾発言されたし。

身体中キスマークだらけって、なにそれ。

すごいこと聞いちゃったよ。




「 まぁ、ひとりでしちゃだめだからね 」

『 ……いじわる 』

「 はは、いい子で待ってて 」

『 ……うん、』

「 じゃあ仕事戻るね 」




ばいばい、って挨拶をして電話が切れた。

それから僕はすぐにぼふんって顔を枕に埋める。

ひとりでしちゃだめって、この状況でそんなこと言う？

僕がむらむらしたのわかったくせに。




『 ………いじわるだ 』




テレビで見かけるジミンさんはあんなにふわふわしてるのに、実際は全然そうじゃない。

どえすだ。

僕に意地悪して楽しむどえす。

テレビと全然違う。




『 っだぁ、！むらむらする、！』




僕のはさっきので少し反応しかけてるのにできないなんて。

今してもバレないかもしれない。

でももしバレたらきっとものすごい意地悪をされるから我慢する。

早くジミンさん帰ってこないかな。



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