社畜と飼い主

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「 あれ、シャンプー変えた？」

『 変えました 』




次の日、いつも通り仕事をしていたら部長に突然声をかけられた。

しかも内容が内容だったからびっくり。

気づくんだ、って思った。




「 なんか顔色も良くなってるし、この前愚痴ってたのにどんな変化 」

『 いろいろあったんです 』

「 あ、彼女できたんでしょ 」

『 できてません 』





パソコンに文字を打ち込みながら、次々来る質問に答える。

僕嘘はついてないよ。

彼女はできてないし。

できたのは飼い主だし。

というか、部長は暇なのかな。

僕はこんなに忙しいのに。

部長も忙しいはずなんだけどな。




「 ふぅん、」

『 え、なんですか 』

「 今日飲み行こうね 」

『 え"、』

「 何その嫌そうな顔 」




嫌に決まってるでしょ。

飲みに行くためにどんだけ仕事頑張らなきゃ行けないの。

だって、飲みって定時で終わらなきゃ行けないでしょ。

そうだったら明日からも24時過ぎ退社だし、それは部長も一緒なはずなのに。




「 これ決定だから 」

『 ………部長 』

「 定時で仕事は終わりね、決定ね 」

『 ……………はい 』




そんな必死に頼まれたら断りずらいじゃん。

それに返事をしたあとの嬉しそうな部長の顔。

あんなに嬉しそうな顔初めて見た。




「 じゃあ、仕事頑張って 」

『 部長も頑張ってください 』




満足そうな顔で自分の席に戻っていく部長。

ジミンさんに帰れないかもって連絡しなきゃ。

ああ、僕の癒しの時間が。

ジミンさんと一緒に寝れないじゃん。

明日の仕事頑張れないよ。

まじで急に飲みに行こうって、どうしたの部長。




『 ………はぁ、』




もう、ため息しかでない。

部長のことは尊敬してるし人として好きだけど、僕の癒しの時間が奪われるのはちょっと。

今日は部長に奢ってもらおう。

それほどのことをしたんだ、あの人は！！

許さないからな！




『 …………おべんとうたべよう 』




ちょうどキリのいいところで終わった仕事。

今日はジミンさんが朝ごはんにキンパを作ってくれて、それの余りをお弁当にしてくれた。

嬉しい。

これで午後の仕事も頑張れる。

あ、ついでに今連絡しよう。




〚 部長に飲みに誘われたから今日帰れないかもしれないです 〛

[ わかった ]

[ 気をつけてね ]




あれ、なんかあっさり許可もらえちゃった。

なんかショック。



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