彼氏大好き症候群

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『 お馬鹿 』

「 ……ごめんなさい 」




あの試合は無事にストレートで勝って、その次の試合も勝てた。

今は会場の片付けだけど、監督さんとキャプテンに許可を貰ってテヒョンイヒョンのところに急いで来た。

初めは嬉しそうににこにこしてたひょんだけど、怒ったらすぐにしゅんってして垂れた耳としっぽが見えた。




「 僕たちも注意したんだけど、興奮したらすぐ忘れちゃったみたいで、」

「 やっぱりテヒョンイヒョンは四次元ですね 」

『 ……わざわざ来てくれたのにすみません 』




落ち込んでるひょんをよしよしって撫でながら、ジョングクさんとジミンさんに謝る。

忙しい中来てくれたのに注意させちゃって申し訳ない。

絶対、バレるか冷や冷やしながら見るの嫌だよね。




「 ……Aちゃん、気をつけるから、怒んないで 」

『 うん、気をつけてね 』

「 ……うん、」

『 来てくれてありがとう、ひょん 』

「 …！うん、！」




もう怒ってないよやってわかるように話題を変えると、ぱぁって顔を明るくして僕に抱きついてきた。

汗は拭いたけど臭くないかな。

大丈夫かな。




「 あ、これ差し入れ！」

『 わ！ばなな！いっぱいだ！ 』

「 みんなで分けて食べてね 」

『 ありがとう！』




試合の合間のバナナは大事だ。

というより糖分大事。

本当にありがたいな、この差し入れ。

今日の試合は終わったけど、あとでみんなに配りに行かないと。




「 次の試合はいつなの？」

『 明日の10時から 』

「 見に来るね！」

「 ねえ、仕事あるでしょ 」

「 …………忘れてた 」




本当に忘れてたっぽいひょん。

ジミンさんに言われてなかったら絶対試合見に来てたでしょ。

大事なお仕事休むことになったら本当にやばいのに、ひょんは危ないなぁ。




「 ……また試合見たいから、勝ってね 」

『 うん、勝つよ 』

「 優勝、してね 」

『 当たり前でしょ 』




この大会で負けても優勝しても僕はもう引退。

それなら、少しでも長くバレーボールができるように絶対に優勝するんだ。

それにひょんにかっこいいところたくさん見せたいし、試合に来れなくても良い報告をたくさんしたい。




「 あ〜、俺監督さんたちに挨拶しに行っちゃ駄目かな 」

『 だめです 』

「 けち！」




やっぱりテヒョンイヒョンは四次元だ。

そう思ってくれるのは嬉しいけど、公表してないからさすがに駄目だね。

ほら、ふたりも呆れてる。



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