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「 もっと、わがまま言っていいんだよ、」
じっと見つめられながら言われたその言葉に心臓がどくんと鳴った。
そしてすぐにぼろぼろ涙が零れてきて、すぐに顔を隠す。
泣いちゃだめなのに、どうしよう。
困らせちゃう、テヒョンイヒョンのこと。
「 俺Aのこと大好きだから、俺はもっと一緒にいたいと思ってるよ 」
ひょんに抱きつくのをやめて、顔を両手で覆って必死に涙を止めようと頑張る。
それでも次々言われるひょんの言葉に、止まるどころかどんどん溢れてきてもう大変。
「 Aは俺の恋人でしょ、」
『 っ、てひょんい、ひょん、っ、』
「 A全然わがまま言わないから、心配だよ、俺 」
顔を隠してる手を外されて、優しく撫でられて、見つめられる。
テヒョンイヒョンの顔を見て、もっと涙が止まらなくなった。
だって、優しく笑ってるんだもん。
全然困ってる顔してないの。
「 ね、Aちゃん、思ってることひょんに教えて 」
『っ、…さみしい、っ、』
「 うん、」
『 もっと、っ一緒にいたい、の、ぼく、っ 』
「 うん 」
どんどん涙が溢れてきて上手く喋れない。
初めて口に出した本音は止まらない。
それでもひょんはちゃんと聞いてくれる。
『 大会も、っ、みにきて、ほしいし、っ 』
「 うん、あとは、?」
『 っ…あ、みちゃん、たちより、っあいして、ほし、っ、』
言っちゃった。
ひょんが、ひょんたちがARMYのことどれだけ愛してるかわかってるのに。
僕がそれに勝てるわけないってわかってるのに。
それでも僕はテヒョンイヒョンの恋人だから、ずっとそう思ってた。
「 Aちゃん、ひょんのお膝の上おいで 」
『 っ、やだ、いかない、』
「 もう、しょうがないな〜 」
いつの間にか起き上がってたひょんは、駄々をこねる僕を抱っこして膝の上に座らせてくる。
嫌って言ったのに。
いろんなわがまま言っちゃったのに。
「 聞いてね、Aちゃん 」
僕の涙を親指で優しく拭われて、顔を両手で包まれる。
僕の名前を呼ぶ声はすごく優しくて、表情も柔らかくて、ひょんから目を離せなかった。
何言われるかわからなくてすごく怖いのに、目を逸らせない。
やっぱり怒られちゃうかな。
わがままがすぎる、って。
ARMYより僕を愛すのは無理だって、言われちゃうかな。
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どこかで食べられようとしてるおかき - 終わっちまった...この偉大な作品が...(新作更新)止まるんじゃねぇぞ…(お疲れ様でした〜 私はもう田中さんに一生ついて行きます!これからも頑張ってください!) (2021年6月7日 7時) (レス) id: e2c82d0d3b (このIDを非表示/違反報告)
そらた(プロフ) - 田中さ〜〜ん!!!最後はボラヘで締める展開あまあますぎてハッピーな気持ちが爆発しました、、、これからも陰ながら応援してます! (2021年6月6日 20時) (レス) id: bc55986b97 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し(プロフ) - 完結おめでとうございます!!今回も読んでてとても楽しかったです! (2021年6月6日 20時) (レス) id: d4b8790329 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - ぱるむさん» 嬉しいです!!ありがとうございます!!! (2021年6月2日 7時) (レス) id: c5526f2e67 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ(プロフ) - めっちゃ好きです!凄く面白かったです! (2021年6月2日 1時) (レス) id: fc15dafcd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:田中 | 作成日時:2021年5月20日 0時