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君と話す度に、強い高揚感に溺れたのを覚えている
君に触れられる度に、その箇所が熱された金属が如く熱を持ったのを覚えている
君といるだけで、息苦しくなる程の幸福感に浸ったのを覚えている
「…馬鹿か、私は」
腹部から溢れる血に目をやり、そっと腕を目元にあてる
真っ暗な視界に、朦朧とする意識の中、思い浮かぶのは君の事ばかりだ
ああ、矢張り、君を困らせてでも、心地の良い立場を崩してでも、君に伝えてやれば良かった
そんな意地汚い事を考え、ふっと笑いを零す
「さ、むい、な…死に際は、こんなに、冷えるのか」
いつしか君が私の両の手を握ってくれたのを思い出した
任務帰りの傷だらけの私に、君は「もっと自分の命を大事にしろ」と叱喝したね
正直私はあの時、そんな言葉が耳に入らない程、酷く焦っていたよ
好い人の君に触れられたら、そりゃあそうなるだろう…君だってきっとそうだろう?天元
でも私は、欲深くて愚かな人間だ
あわよくば、その腕で、この身が砕ける程の強い抱擁を受けたかった
熱に溶かされたって良かった
可笑しい位に酷い話だろう
ああ、天元、私の愛しい人
君を最期に想って死ぬ事を、どうか許して欲しい
この熱に浸ったまま死ぬ事を、どうか許して欲しい
「てん、げん」
願わくば、君のこれからの人生に、幸多からん事を
素敵な人生をありがとう
私の
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千聖(プロフ) - 目から鼻水?が出てきてやばいです (2月26日 1時) (レス) @page14 id: 1899f7b5ef (このIDを非表示/違反報告)
美園 - 感動しました。涙めちゃででやばいぐらいでした。ありがとうございます。 (2022年8月13日 16時) (レス) @page14 id: d0751a4b5d (このIDを非表示/違反報告)
櫂 - 泣きました、ありがとうございました。 (2022年1月23日 19時) (レス) @page14 id: aef1afb3d8 (このIDを非表示/違反報告)
はく(プロフ) - 天元さん、、やっぱ嫁の人数増やそう、、?ちょっと目から汁が、、、アアアッ (2021年11月20日 2時) (レス) @page14 id: 480d828c8e (このIDを非表示/違反報告)
れな - めちゃくちゃ感動しました。涙が溢れてもうやばかったです (2020年12月29日 20時) (レス) id: 75a44e24da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:C吉 | 作成日時:2019年9月24日 0時