第七話 緊急事態 ページ9
-
「ここか…」
お山の入口まで辿り着いた私は、そう言葉を落とす
あの奥様の言う通り、このお山は外側から見ても中の暗さが容易に想像出来る位には木が生い茂り、入口付近にいざ立ってみれば、その異様な雰囲気に呑み込まれそうになる
こんな場所に、何で子供が…遊びでだろうか…
話によるとあまり年端もいかないお子さんの様だから、巫山戯半分で入ってしまったと言われると素直にそうかと首を縦に振ってしまう
だが、その行為が今こうして危険に繋がっている
幾ら子供であっても、その行為を許してはいけないのだ
誰かが、叱ってあげないと
「取り敢えず夜になるまで様子を見たかったけど…この感じだと、もしかしたら…」
私は、森に足を踏み入れる
パキリと細い枝を踏んだ瞬間、私の視界が変わった
「は…?」
入口付近にいたはずの私は、何故か森の内部にまで移動してしまっている様だった
入口から漏れていた光はもう無く、視界は晴れない
風で木が揺れた際に運良く光が入り込むか入り込まないかでやっと辺りが鮮明に見れるというレベルで、私の目は未だ周りを把握しきれていなかった
「しくじった…血鬼術か…」
大分面倒な血鬼術だ…まずい、これだと容易に歩き回れない…
最悪な事態に陥ってしまった…辺りは朝にして暗く、血鬼術の所為で歩くには困難を極める
「鎹鴉は…駄目か、あそこからここまで移動させられたのは私だけ…鴉は鼻が利かないけど、夜目は効く…その夜目で何とか私を見つけてくれれば…」
いや、其れよりも、先に誰か応援を呼んでくれた方が…って、入口にあんな術が掛けられてちゃ意味無いよね…
「どうしよう…」
「何が?お姉さん」
「っ、あ」
次の瞬間、私の横腹には、細長い指が四本刺し込まれていた
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←第六話 単独任務
322人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アルム(プロフ) - 更新待ってます! (2019年11月13日 15時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
樹(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年9月26日 6時) (携帯から) (レス) id: 4967caf707 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:C吉 | 作成日時:2019年9月13日 15時