05.紅が私の世界を回す ページ7
目的の場所に近づくにつれて
避難する人々で道はごった返し､
辺り一帯はまさに混乱を極めていた｡
まだこの辺りの避難誘導は足りている｡
私はさらに被害の大きい喧騒の中心部を
目指して人混みの中をくぐり抜ける｡
『現在ヒーローたちが交戦・避難誘導中！
しかしいち早く応戦したエンデヴァー氏は……』
手の中からそんな声が聴こえてきて､
私はチラリとスマホの画面を確認する｡
｢！？｣
『この光景……嫌でも思い出される
3ヶ月前の悪夢────』
そこには全身に大きな傷を負い､
あの無愛想な顔を真っ赤な血で染めて
倒れている､あの人｡
全身の血が一瞬にして冷えた｡
『｢これが象徴の不在……！｣』
手の中にあるスマホから流れる音声と
近くから聴こえてきた声が被った｡
目に映るもの､全ての色が消える｡
象徴の不在｡
その言葉だけで冷えた身体の芯の奥底で
黒いものが渦巻くのを感じる｡
止まりそうになる足をなんとか保った理性で
動かす｡
フワッ
不意に視界に､色のない世界に
鮮烈な紅がよぎった｡
その小さな紅は俊敏な動きで色のない世界を
動き回っている｡
｢俺の背中やったら安心させられん｣
動き回るたくさんの紅の中心から
聞き覚えのある声がした｡
あの人と同じ､燃えるような紅を背負った
あの青年の背中｡
彼は今回襲撃してきた敵…“脳無”の数体を
拘束しながらとある一点を静かに見つめていた｡
私も吸い込まれるようにその方向に目を向ける｡
ゴオォォォ！
勢い良く燃え上がる､紅の炎｡
そしてもう一度私の視界を横切った
俊敏に動く小さな紅｡
その2つの紅が目に入った瞬間､
私の世界は一気に色を取り戻した｡
06.君はそうやって僕の背中まで押していく→←04.いつもは直感なんて当たらない
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ハイイロ(プロフ) - 花子くんさん» 感想ありがとうございます｡そう言って頂けてとても嬉しいです！これからもリク募集しておりますので､じゃんじゃんリクエストして頂けると嬉しいです！ (2019年4月23日 1時) (
レス) id: 87fa6c3c8e (このIDを非表示/違反報告)
花子くん - 番外編感想 私「あぇんnうへぁょwおーーーーー！！！」 兄「何声にならん叫び発しとんの」 最高ですか。いやもうこのホークス見れたら学年主任の説教2時間聞いてもいいですわ。 (2019年4月22日 22時) (レス) id: b5e6e0e7af (このIDを非表示/違反報告)
ハイイロ(プロフ) - 花子くんさん» リクエストありがとうございます！書かせていただきました｡楽しんでもらえると嬉しいです｡これからもリクエスト待っております！ (2019年4月21日 21時) (レス) id: 87fa6c3c8e (このIDを非表示/違反報告)
花子くん - リクです！ カラオケで、ホークスとカゲロウちゃんをなんかいい感じにしてほしいでっす！！！ ……意味わからんくてすんません (2019年4月20日 11時) (レス) id: b5e6e0e7af (このIDを非表示/違反報告)
ハイイロ(プロフ) - 花子くんさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです｡いつでもリクエストお待ちしております！ (2019年4月14日 1時) (レス) id: 87fa6c3c8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハイイロ | 作成日時：2019年3月12日 20時
