28.今だけ君は僕の ページ32
｢遅いですよ｣
私が現場に追いついた時にはもう既に事は終わっている｡それが本日これで5度目だ｡
電柱のてっぺんで屈みこみ､こちらを見下ろす“速すぎる男”は私が現場に到着して早々､5度目の同じ文句を1つ垂れて､すぐに事後処理の指示を回してくる｡
私は息をつく間もなく働いた｡
彼の速さは想像以上のもので､素直に驚いた｡
｢初日の事件量が少なくてほんとよかった｡
カゲロウさん遅すぎますよ｣
本日何度目かわからない｢遅い｣という文句がホークスから垂れる｡
私は現在ホークスの主な活動区域である彼の地元
福岡へと応援にきていた｡
先日のうちの上司と彼の押し問答は結局うちの上司が口の上手いホークスにまんまとのせられていた｡
勝因の言葉は｢エンデヴァーさんの事務所て､やっぱり優秀な秘書さんがおらんと回らんのかぁ……｡
ま､薄々そう感じとったけど｣というホークスの小さな独り言｡
地獄耳のうちの上司にこれは効果バツグンだ｡
後々ホークスが憤慨するうちの上司を見て密かに
舌なめずりをしながら｢チョロい｣と妖しく口角を上げてボヤいた所は見なかったことにしようと思う｡
ホークス……恐ろしい子｡
私はそんなことを思い出しながら小さく息をつくと隣を歩く､しばらく上司となった彼にハッキリとした口調で言った｡
｢すみません｡ですがおおよその流れはだいたい
掴めました｡明日からは今日のように私に気を遣うことなく､いつも通りの仕事をしてください｡
善処します｣
｢流石､有能な秘書は言うことが違いますね｡
言われなくてもそうさせてもらいます｡
……ていうか､なんか今日堅くない？カゲロウさん｣
｢ここにいる間はあなたは私の上司ですから｡
公私はきっちり分けます｣
｢俺がカゲロウさんの上司｣
ホークスはそう言うと何やら不思議そうな顔をしてこちらを見下ろしてきた｡私は思わず首を傾げる｡
｢じゃあ､カゲロウさんは俺の部下だ｣
｢？そういうことになりますけど｣
するとホークスは何やら嬉しそうに小さく笑った｡
｢悪くはなかね｣
そして同時に紅の翼を大きく伸ばし､バサバサと小さくはためかせた｡
夕日に照らされ､彼の翼の紅はいつも以上に鮮烈さを増す｡
夕日に染まる空を飛ぶ彼をここにいる間に一度は見ておきたいと思った｡
きっと､うちの炎の上司にも劣らないほど
綺麗に燃えるだろう｡
29.上司のMG(マジギレ)3秒前の子羊二匹｡→←27.一家に一人､君は誰が欲しい？僕は君が欲しい｡
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ハイイロ(プロフ) - 花子くんさん» 感想ありがとうございます｡そう言って頂けてとても嬉しいです！これからもリク募集しておりますので､じゃんじゃんリクエストして頂けると嬉しいです！ (2019年4月23日 1時) (
レス) id: 87fa6c3c8e (このIDを非表示/違反報告)
花子くん - 番外編感想 私「あぇんnうへぁょwおーーーーー！！！」 兄「何声にならん叫び発しとんの」 最高ですか。いやもうこのホークス見れたら学年主任の説教2時間聞いてもいいですわ。 (2019年4月22日 22時) (レス) id: b5e6e0e7af (このIDを非表示/違反報告)
ハイイロ(プロフ) - 花子くんさん» リクエストありがとうございます！書かせていただきました｡楽しんでもらえると嬉しいです｡これからもリクエスト待っております！ (2019年4月21日 21時) (レス) id: 87fa6c3c8e (このIDを非表示/違反報告)
花子くん - リクです！ カラオケで、ホークスとカゲロウちゃんをなんかいい感じにしてほしいでっす！！！ ……意味わからんくてすんません (2019年4月20日 11時) (レス) id: b5e6e0e7af (このIDを非表示/違反報告)
ハイイロ(プロフ) - 花子くんさん» そう言ってもらえてとても嬉しいです｡いつでもリクエストお待ちしております！ (2019年4月14日 1時) (レス) id: 87fa6c3c8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハイイロ | 作成日時：2019年3月12日 20時
