ちょこ【十代】 ページ12
２月１４日 水曜日。
Aはいつも通り砂浜を歩いていた。
きっとアカデミアでは多くの乙女達が“バレンタインデー”を楽しんでいるだろうが、彼女には関係ない。
と、言いつつもAの右手には藍色の紙袋をぶら下げていた。
明日香や万丈目、先輩である吹雪たちに(無理矢理に)渡した。
だが、本人達はそれを彼女なりの照れ隠しだと分かっているのでいつも通り微笑んでお礼を言って受け取ってくれたのだ。
袋の中に１つの赤い箱がAが動く度に左右に揺れる。
(別に)
白い砂を踏みしめながらユラユラと揺れる波を見つめる。
(期待、してない)
いつだって十代は彼女の隣を歩く。
たとえ突き放しても追いついてくる。
彼は彼なりにAを大切に思っていた。
それを知るのが怖かったんだ。
(……貰っても迷惑だろうか)
いっそのこと海に投げ捨てられるならどれだけ良いだろうか、なんて考えてしまう。
自分の気持ちを永遠に海底に埋めてしまえば━━━━━
「A」
｢……十代｣
「それ、俺のだろ？」
Aの手元にある赤い箱を十代は指差した。
「な、んで」
「万丈目が貰ったって言ってたぜ」
ああ、万丈目なら自慢しながら言いそうだとAは心情とは裏腹にハタハタと嫌な汗を流す。
「くれよ」
去年は勝手に自分の手から奪ってその場ですぐに食べて感想を言っていた彼はもういないのかもしれない。
そう思うとAは十代との距離が遠く感じた。
彼女は箱を渡すと十代は徐に箱を開けて四角のチョコを取り出し、口に含んだ。
「相変わらずうめぇな」
「そ、うか」
「また来年も食いたいぜ」
「は……」
Aは腑抜けな声を出した。
十代が彼女の口を塞いだ。チョコの味と匂いが余計甘く感じる。
「また来年も作ってくれよ」
耳と顔を真っ赤にしたAに十代はいたずらっぽく笑った。
02.14
ハルカさんリクエストありがとうございました！
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ハルカ - お願いしますm(_ _)m (2018年2月5日 15時) (
レス) id: 04586e5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
衣深汰(プロフ) - ハルカさん» バレンタインに間に合うようにしましょうか？ (2018年2月4日 23時) (レス) id: 51088f03f5 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - リクエストです4期の十代でバレンタインのお話をお願いしますm(_ _)m (2018年2月4日 23時) (レス) id: 04586e5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - リクエストです4期の十代で激甘のRのバージョンで主人公が十代に攻められてる感じでお願いしますm(_ _)m衣深さんが書ける限界までお願いしますm(_ _)m (2018年1月31日 10時) (レス) id: 04586e5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - 話とても良かったです(≧∇≦)また思いついたらリクエスト出しますね(≧∇≦) (2018年1月30日 16時) (レス) id: 04586e5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衣深汰 | 作成日時：2018年1月29日 22時
