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おちる【十代】 ページ2

Aはふらつきながら海岸を歩いていた。
何故ふらついているのか、それはヒールのせいである。

起きて早々 自室に何故か黒いヒールがあったのだ。
そして都合よく自分のいつも履いている靴が無くなっていた。
誰かのイタズラなのか、はたまた新種のいじめなのか、考えても現実は変わらない。
彼女は思考を放棄して、渋々ヒールを履いた。

慣れないヒールの高さにAは1人心の中で毒をつく。

(何故オレがこんな目に……)

産まれたての子鹿の様に脚を震わせながら目的地である岸壁に着く。
彼女はいつも授業をすっぽかし、1人で海を眺めるのが日課になりつつある。

ビュォと強い風が吹いた。
近くに建物が無いここは直に風がAに当たった。


『クリー……』
「ああ。予想以上に風が強い……今日はやっぱり寮に帰ろう。それにいつだってここは来れるからな」


Aを心配したのかクリボーが鳴くと彼女は海を一瞥した。
潮風が彼女の髪を揺らす。

(そう言えば、両親と共に海に行ったのはいつの日だったか……)

Aは静かに目を瞑る。


目を開けた瞬間だった。
さっきよりも強い風が彼女の背中を押した。

(ぁ……)

風に押され、重力に背けられる訳もなく彼女の身体は徐々に落ちていく。
やっと脳が危機を感じたのか、右手が崖に掴まった。

が、瞬時に止めた。諦めたのだ。

どうせ下は海だと、誰も助けになんて来てはくれないと。

全てがスローモーションに見える中彼女は落ちる事に恐怖心なんて何一つなかった。
寧ろ服が濡れるとか、面倒くさいなあと呑気に考えていた。






赤い袖が視界の端に移るまでは━━━━━。


「な、んで」


無意識にそんな事を言っていた。
その赤い袖、正確には彼はAに必死に手を伸ばしていた。
チラついた赤い袖は彼の制服の上着だった。

(コイツ、馬鹿だなあ)

Aは一瞬 彼の袖に掴まったが、すぐに手を離した。



ドブン、と大きな波紋が揺れる。

▽→←温和



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ハルカ - お願いしますm(_ _)m (2018年2月5日 15時) (レス) id: 04586e5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
衣深汰(プロフ) - ハルカさん» バレンタインに間に合うようにしましょうか? (2018年2月4日 23時) (レス) id: 51088f03f5 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - リクエストです4期の十代でバレンタインのお話をお願いしますm(_ _)m (2018年2月4日 23時) (レス) id: 04586e5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - リクエストです4期の十代で激甘のRのバージョンで主人公が十代に攻められてる感じでお願いしますm(_ _)m衣深さんが書ける限界までお願いしますm(_ _)m (2018年1月31日 10時) (レス) id: 04586e5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - 話とても良かったです(≧∇≦)また思いついたらリクエスト出しますね(≧∇≦) (2018年1月30日 16時) (レス) id: 04586e5ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衣深汰 | 作成日時:2018年1月29日 22時

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