第一話 いつもの仕事 ページ2
ゴーーン ゴーーン
遠くで鳴る鐘の音と共に目が覚めた。
「トパーズ、南に黒点が現れました。先生たちと共に行きますよ」
「ん、了解した」
白衣をまとった彼 ルチルの声に答えたのはインペリアル・トパーズ。
長く赤みを帯びたイエロー色の長い髪を赤いリボンで結い、右に流している。左目は前髪に隠れでいた。
少し眠そうに目を擦る彼はどうやらさっきまで眠っていたらしい。
「誰が発見したの？」
「モルガとゴーシェです」
「二人とも割れてないと良いけども」
まだ寝惚けているのか少々抜けた声を出しながら大きな布を持つトパーズをルチルはいつも通り先導する。
黒点が現れた場所に向かうと宝石を手に入れ満足そうに美しく笑う
宝石たちを束ねる者、金剛が前に出て指をパチンと鳴らす。すると、月人は霧散した。
倒れている二人は金剛を見るなり、冷や汗を流す。
「敬老の精神か」
「！ くる！ 下がれ！」
「いっ？」
緑色の髪を揺らし、ジェードが周りの宝石たちを金剛から距離を置かせる。
トパーズが今フォスの声が聞こえたような、と考えたが時すでに遅し。
「まだ早いわバカモノ！」
「きゃっ」
「わっ」
パキッ、パリン。
金剛の怒号でモルガとゴーシェが少量 そして一番近くにいたフォスフォフィライトが全身砕けてしまった。
フォスフォフィライト。宝石たちの中で最年少でひときわ脆く、硬度は三半。さらに月人好みの
手が焼けるが、守らなければいけない大切な家族の一人だとトパーズは思っていた。
「もうっ先生！ フォスは大切な家族なんだから気をつけておくれ！」
「む すまん」
割れてしまったフォスフォフィライトを金剛に任せ、トパーズはゴーシェを丁寧に起き上がらせる。
「ゴメンね、トパーズ」
「なーに、いつもの事だろう」
困り眉で少しシュンと落ち込むゴーシェに柔らかく笑いながらさっき持参した大きな布に優しく彼を包んだ。
周りを見渡し、他に破片が落ちていないか確認する。
一欠片でもかけてしまうのはいけないことだからだ。
月人から取り戻したヘリオドールの欠片をチラッと見たあと、トパーズは空を見上げ
「蒼い」
と呟いた。
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衣深汰(プロフ) - 藍さん» お恥ずかしい間違いをしてしまった…！ 有難うございます…！ 訂正しました…！ (2017年12月21日 23時) (
レス) id: 51088f03f5 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 先生は金剛(ｺﾝｺﾞｳ)ですよ。金銅では無かったと思います。 (2017年12月20日 17時) (レス) id: f71db61464 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衣深汰 | 作成日時：2017年12月3日 22時
