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テーブルの上のお酒も半分くらいになってきた。
ホテルってことに意識してたのは自分だけなんじゃないかってくらい、2人でいても特に何も起きず、隣の大希くんは楽しそうにテレビを見てる。
もちろん私も楽しいんだけど、テレビばっかみてる大希くんが私からしたらちょっと面白くない。
常「…ん?」
かまってほしくて、大希くんが持ってるお酒を奪ってみる。
常「…A?」
お酒をとっただけで何も言わない私の顔を覗き込む大希くん。
A「大希くんずっとテレビばっかみてる、、」
常「なに、かまってほしいの?」
「ちがう」なんて言って素直になれない私に、「なんやねん笑」と言いながらまた頭を撫でてはすぐテレビを見る。
つまんない。
いや、楽しいんだけど。
なんていうかもっと構ってほしい。
A「大希くん」
常「ん?」
大希くんは顔をテレビに向けたまま返事をする。
A「ちゅーしたい。」
常「は?」
やっとこっち見てくれた。
少しの間、テレビの音だけが流れる。
常「お酒飲み過ぎ。水持ってくるから待ってて。」
そういってソファーから立ちあがろうとする大希くんの腕を掴んで無理やり座らせる。
A「いらない」
そして、されるがままの大希くんの顔を掴んでこっちを向かせる。
A「酔ってない。」
常「酔ってんの。顔赤い。分かるわそんくらい」
大希くんは余裕そうにまた私の頭を撫でてくるから、ちょっとだけむかついちゃって、思わずそのまま顔を引き寄せてキスをした。
そう、私から。
初めて。
A「ふふ、ちゅーしちゃった。大希くんずっとテレビ見てるからお仕置き。」
状況を整理しているのかピクリとも動かない大希くんを横に、満足した私はチャンネルを変えたくてリモコンを手にとろうと立ち上がる。
常「余裕そうに見えてんの?」
A「…??」
常「余裕なんてあるわけねーだろ。余裕あるように見せてんの。」
リモコンを手にした瞬間、首と膝を抱えられてそのままベットに連れていかれる。
A「…え、ちょ」
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作者名:きなこもち | 作成日時:2023年10月3日 1時