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井「…大希、A離して。俺にちょうだい」













常「断る」













大希くんにはさっきまでのように後ろから抱きしめられていたけど、思ったより理くんの声が近くで聞こえて思わず顔を上げるとすぐ目の前にいたことがわかった。















井「…A、かわいいねぇ」









理くんはそういって私の頭を何度も撫でる。



大希くんが私の事を離さないと諦めたのか、今度は私の目の前に膝立ちになり、ソファーに座ってる私のことを少しだけ見上げながら心底嬉しそうに笑う。











井「今度のツアー、一緒にお風呂入ろうね」












A「…い、いやそれは夢の話であって……」











常「させるわけないだろ」













大希くんは私の頭を撫でる理くんの手を払った。







それでもそんなことお構いなしの理くんは、ずっと私をニコニコ見てるから私もこの状況に耐えられなくなってくる。












常「Aは俺と一緒に俺の部屋で飲むの、な?」









私の顔を覗き込んでくる大希くんの顔は近くて、鼻と鼻がぶつかりそうなくらい。










A「…ん」









常「んは、いいこ」











後ろには大希くんが。目の前には理くんが。


こんな状況で冷静になんてなれるわけないじゃん。


顔が熱くて、体も熱くて、どうにかなりそう。














井「、、A?」







A「な、なぁに?」












膝立ちしていた理くんが立ち上がったかと思うと、私の顎に手を添え上を向かせた。












A「……っ、、、」













、、、ちゅーされました。



そんな王子様みたいな、優しく触れるだけのキスに思わずボーってしてしまう。







井「その夢、早く実現させたいね」








理くんはその一言だけいって、私達に背を向けキーボードの方の椅子に座った。













A「…ず、るいよ」












熱くなった自分の顔を手のひらで隠していると、大希くんが後ろから「理なんかにドキドキしてんな!!」なんていって手を離そうとする。










大希くんとそんなやりとりをしてても、理くんは平気な顔でキーボードを弾きながら歌ってて、



大希くんにはいつもドキドキさせられてるけど、今日は理くんが勝ちました。



あれは、、、うん。ずるいよね…??

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作者名:きなこもち | 作成日時:2023年10月3日 1時

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