・ ページ32
そーだ、私だけ達して、大希くんは満足してない。
A「…あ、大希くん」
常「俺はいいの。また今度な?」
優しく私の頭を撫でながら体を起こしてくれて、ズボンを履かせてくれたかと思うとあったかいココアまで持ってきてくれた。
さっきまで鬼のように機嫌が悪かった人と同一人物だとは思えない。
A「…うん、」
常「…ふは、言質とーり」
A「…ッ、ばか」
意地悪な顔して笑って、私のことを覗き込んでくる。
常「俺のこと嫌い?嫌だった?」
大希くんはそれが悲しかったんだ。
私に急に嫌いって言われて。私だって大希くんに嫌いって言われたら悲しくて悲しくてどうにかなってしまうかもしれない。
A「嫌いじゃないごめんね。大好きだよ」
常「…よかった。俺も」
さっきの大希くんは本当に怖かったし、勝手に話進めて私のこと全然受け入れてくれなかった時は、私の方が怒りたいわって思ってたけど
あんな悲しいそうな顔されて、今こんなことまでされちゃったら怒るも怒らない。
A「…で、でも、私の話全然聞いてくれなかったのはまだ少し怒ってるからね」
常「…はーい。それはすまん」
簡単に謝罪しやがった、こやつ。
なんで俺さっきまで怒ってたんだっけとでも言うように、その顔は清々しくて、優しくて、笑顔でこっちを見てる。
ふんっ、少し拗ねた真似をして大希くんとは反対方向を見る。
常「…ふは、お嬢さんかわいい声出して気持ちよかったですか?」
A「…っっ、ばか!!」
大希くんの手を思いっきり叩く。
常「ごめんって笑」
もーこの男は絶対謝る気ない。
ヘラヘラしながら私に叩かせるように手を出して受け止めてる。
その後、そんな会話は「きもちかった」と私に言われるまで続いて、気づいたら大学が閉まる時間だったから急いでペンケースをお迎えに行った。
こんなことがあってから大希くんはスキンシップが一層激しくなって、私の大希くんの扱いも少し雑になった。
綾(あの後ヤった?)
常(…手だけな)
綾(わお、ついに)
常(うるせ、剛ちゃんのせいだからな)
綾(なに、俺に感謝してるって?)
常(あーまじうるせぇ)
綾(俺が手出しても文句言わないでね)
常(は?それはだめ)
井(え、なに、どゆこと?え?俺ついていけない。)
101人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなこもち | 作成日時:2023年10月3日 1時