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理くんは何も言わない。
A「あ、は、離して」
昨日の夢の中でも、理くんは私を後ろから抱きしめていた。
場所と格好は違えど、同じ体勢であることに変わりはなく体の温度が上がっているのが自分でもわかる。
常「おい理」
何も言わない理くんにイライラしているのか、さっきまで大希くんのところにいたのに急にいなくなってイライラしているのか、それは本人しかわからない。
井「…なんで避けてるの」
A「避け、てない。」
首元にかかる理くんの息は熱くてじっとしていられず、体を動かそうとしてもがっちり抱きしめられてそれは叶わない。
井「じゃーなんで俺のこと見ないの？」
首元に埋めてた顔をあげたかと思えば、私の顔を掴んで後ろを振り向かせ、有無を言わさず顔を向かい合わせる。
A「…っ、や、、、」
一瞬だけ目を合わせちゃって、すぐ下を見ようとしても
井「逸らすな」
その言葉に、魔法でもかけられたみたいに理くんから目を離せなくなる。
常「…今日は俺かと思ったのに、結局理の日かよ」
大希くんがボソッと何か言ったが、今の私には聞き取れない。
井「…なんで、今日俺のこと避けてたの？」
もう逃さないとでもいうように理くんの目は本気で、でも少し不安そうで。
私を気遣ってか、体制を無理やり後向きにさせていたのを足を持ち上げてくれて理くんと正面から向かい合えるようにしてくれた。
そーゆー優しくてかっこいいところが、
A「……すき」
常「は？」
井「…え？」
勢「！！？」
30秒くらいその場の音がなくなった。
A「、、え？あ、いや違くて…」
井「おれも」
理くんはそういって一瞬のうちに私の首元に印をつけた。
A「…っっ」
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作者名：きなこもち | 作成日時：2023年10月3日 1時
