43匹目。 ページ47
〇
「あぁ、茶毛の子以外もいるんですね。」
私のスマホの画面(6.1インチ)に釘付けになる大人三人。古川君が画面に触れないようにとんとんを指さす。
『うん。その隣の子、珍しい毛色してるよね。』
その隣に香箱座りになっているえーみーる。この二匹は顔こそ見えないものの、庭に繋がる大きな窓の前にいるのだ。
「ほんとだ。」「ほんとですね。」
綺麗なミルクティー色はやはりどんな人も魅了するのだろう。是非とも目も見てほしい。
視点を変えてみればソファーで眠るしょっぴとちーのが映る。
「いやっん。ほんとに可愛いーーーな。」
木村の言う通り、2匹は寄り添うように寝ていた。互いを信頼しあっているのだろう。白っぽい、水色っぽい毛並みのちーのと茶色い毛のしょっぴ。2匹とも毛長族なので抜け毛が酷いがそれ以上に可愛さをもたらす。
「可愛いっすね……」
思わず古川君の口からも“可愛い“という単語が出てきて敬語が砕けるくらいの破壊力を持つ。はぁ……猫可愛い。
「先輩もこう見ると猫っぽいですよね。」
『どこが。』
咄嗟に口が出る。この後輩はなんというか、私に好意があるのだろうか。それとも
「可愛いとこと、ツンデレなとこです。」
「あ、ツンデレは言えてる。」
木村がパチンっと指を鳴らす。もう、こいつらダメだ。名残惜しいがスマホの電源を落とせば同僚木村からブーイングが来るが私は知らん。
彼女は飽きたのか、時間を見てやばいと思ったのか「んじゃっ。」と缶コーヒーを持ち歩いたまま自身のデスクに帰っていく。
「あ、先輩。」
「これ、仕事です。」
ついでと言わんばかりに古川が仕事を持ってくる。こいつは変に仕事が出来るせいで私たちに負担がかかる。是非ともうちの部署の後輩と変わって欲しいくらいには優秀だ。
『ん、ありがとう。』
と受け取ろうとすれば書類たちが手をすり抜け上に行ってしまう。犯人は1人、古川君だ。彼をじとっと見つめれば
「せーんぱい。定時で上がれる日があったら先輩の家の猫たちに会いに行きたいです。」
……仕事を増やす側の人間とは思えない発言だった。
『じゃあ、その書類受け取らないで今日定時で上がる？』
なんて言えば「定時で上がれなさそうなら手伝いに来ますよ。」と仕事を押し付けてきた。
はぁ、古川君の説明に不思議ちゃんを加えておくか。
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こはく - 尊いがすぎますね、尊4するところでした。と言うかしました。 (2023年3月21日 9時) (
レス) @page21 id: 5137519573 (このIDを非表示/違反報告)
何をするにも「ら」を言ってしまう人です - 初コメ失礼します!顔面手で押さえつけて天仰いでました!尊いｯｯｯｯｯｯ (2023年3月4日 23時) (レス) @page25 id: 3e8fde3e6c (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - んやぁ〜！！！可愛い！癒されます！！ (2023年3月4日 22時) (レス) @page23 id: 8d2f6f943b (このIDを非表示/違反報告)
桜の穂 - 癒しです……顔の筋肉ゆるゆるになりながら読ませていただいてます、応援しています！！ (2023年3月4日 22時) (レス) @page23 id: f612835adc (このIDを非表示/違反報告)
白猫のテト - いつも楽しく読んでいます！主人公のgrさんに対する態度がすきです。 (2023年3月3日 16時) (レス) id: 8e42a39025 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：びとうぃーん。 | 作成日時：2023年2月28日 21時
